137: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/18(水) 10:55:39.59 ID:kRpik67K0
瞬時に頭は働かなかった。
だけど彼の姿を見た途端、すぐに理解し、色んな思いが頭を巡ったが――
僧侶「…お帰りなさい」
そんな言葉しか、出てこなかった。
僧侶「長いことご苦労様でした、魔人さん」
魔人「あぁ」
だけど久しぶりに会う彼は、
魔人「体壊したのか?」
僧侶「えぇ」
地獄にいたとは思えない程表情が柔らかくなっていて、
魔人「1人で無理するなと言ったろ」
言葉も大分、穏やかになっていた。
僧侶「すみませんね、健康体で出迎えたかったんですけれど…ゴホッ」
体が重く、起き上がることもままならない。
魔人「いや、悪かった。俺が帰るのが遅くなったから」
僧侶「…ふふ、大分丸くなりましたねー、魔人さん」
魔人「そりゃ…見た目は変わらなくても、お前と同じだけの時を生きているしな」
僧侶「それもそうですねー…それじゃあ、ゴホゴホ」
人間と魔人の体の作りは全然違う。
時が経てば経つ程、その差は残酷なものになる。
僧侶「魔人さんも私同様、歳を取っているんですねー」
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