26: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:34:53.43 ID:xhFcsLfTo
次の漁までいくらかの猶予があった。
Bは逸る気持ちを押さえて六万円を握り締め、彼女の待つ店へ疾走した。
が、
27: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:35:38.68 ID:xhFcsLfTo
Bの足は、港と反対へフラフラと歩き出していた。
戻る気がしなかった。
元より逃げられる気はしないが、何もかもやる気が失せてしまった。
28:名無しNIPPER[sage]
2015/02/08(日) 20:36:10.46 ID:D3d8CbOvo
C
29: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:36:20.88 ID:xhFcsLfTo
二時間ほど歩き、大きな川へ出た。
橋の手すりから半身を乗り出し、ただぼうっと水の流れを眺め続けた。
そんな時だ、あの男が現れたのは。
30: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:37:18.27 ID:xhFcsLfTo
Bはゆっくりと顔を上げた。
黒服が視界に映り、サングラスの奥と目があったような気がした。
「ゼロだ」
31: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:38:01.03 ID:xhFcsLfTo
× × C D E
32: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:38:53.74 ID:xhFcsLfTo
鉄の臭いが部屋一杯に充満し、残った者はみな等しく口を覆った。
一人耐え切れず、甘い匂いの胃液を床に向かってぶちまけ続ける。
その間にAと同様、別の黒服二人がBの遺体を回収してく。
33: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:39:43.82 ID:xhFcsLfTo
「次はお前だ」
Cへ向けて黒服が缶を押し付ける。
だがその時、彼は不意に耳を押さえて動きを止めた。
34: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:40:29.88 ID:xhFcsLfTo
10分ほど経っただろうか。いや、既に30分は経ったのだろうか。
何れにせよ黒服はまだ戻らない。
Cはゆっくりと椅子から立ち上がると、血の続く扉に手を掛けた。
35: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:41:14.49 ID:xhFcsLfTo
扉の先は闇であった。
Bを引きずった跡は、三メートル足らずでもう見えない。
その先からは涼しい風が流れ込んでいる。嫌な臭いのしない、新鮮な空気。
36: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:42:06.22 ID:xhFcsLfTo
「おい、閉めろ」
背後の声に振り返ると、Dが椅子から身を乗り出して手を招いていた。
「いいじゃないか。吐きそうなんだ」
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