31: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:38:01.03 ID:xhFcsLfTo
× × C D E
32: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:38:53.74 ID:xhFcsLfTo
鉄の臭いが部屋一杯に充満し、残った者はみな等しく口を覆った。
一人耐え切れず、甘い匂いの胃液を床に向かってぶちまけ続ける。
その間にAと同様、別の黒服二人がBの遺体を回収してく。
33: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:39:43.82 ID:xhFcsLfTo
「次はお前だ」
Cへ向けて黒服が缶を押し付ける。
だがその時、彼は不意に耳を押さえて動きを止めた。
34: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:40:29.88 ID:xhFcsLfTo
10分ほど経っただろうか。いや、既に30分は経ったのだろうか。
何れにせよ黒服はまだ戻らない。
Cはゆっくりと椅子から立ち上がると、血の続く扉に手を掛けた。
35: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:41:14.49 ID:xhFcsLfTo
扉の先は闇であった。
Bを引きずった跡は、三メートル足らずでもう見えない。
その先からは涼しい風が流れ込んでいる。嫌な臭いのしない、新鮮な空気。
36: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:42:06.22 ID:xhFcsLfTo
「おい、閉めろ」
背後の声に振り返ると、Dが椅子から身を乗り出して手を招いていた。
「いいじゃないか。吐きそうなんだ」
37: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:42:39.64 ID:xhFcsLfTo
黒服は誰に言うでもなく呟き、缶を持って部屋を出た。
それは外の誰かと連絡を取っていたからに他ならない。
少し考えれば分かる事だった。そんな簡単な事にさえ気が回らなかったとは。
38: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:43:21.69 ID:xhFcsLfTo
Cは音を立てないように気を配りつつ、静かに扉を閉め直した。
椅子に戻り、二人に向かって頭を垂れる。
「すまない」
39: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:44:06.28 ID:xhFcsLfTo
黒服が戻ってきたのは、それから間もなくの事であった。
彼はポケットを探りながら
「大人しくしていたか? まあ、逃げようなど考えん事だ」
40: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:44:53.75 ID:xhFcsLfTo
「次はコイツを使ってもらう」
丸卓に置かれたのは、先程より一回り小さな缶であった。色も違う。赤だ。
「『サクマ式ドロップス』……?」
41: ◆KpPu4lHfcc[saga]
2015/02/08(日) 20:45:33.25 ID:xhFcsLfTo
混同している者も多いが、『サクマドロップス』と『サクマ式ドロップス』は別物である。
最初使っていた『サクマドロップス』には
イチゴ、レモン、オレンジ、パイン、リンゴ、ハッカ、メロン、スモモ、
68Res/28.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。