過去ログ - 社長が首を括ったあとの話
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10:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 01:00:03.38 ID:Pk6xABjY0
しかしそんな生活も長くは続かなかった。

貯金は底が見えてきたし、青い社長を見る頻度も高くなってきた。

だが働く気はまったく起きなかった。
以下略



11:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 01:00:29.97 ID:Pk6xABjY0
その頃の俺は起きている間はずっと酔っ払っていたような気がする。
しらふだと視界の隅にぶら下がる何かが見えるから。

夢にも出てくるものだから睡眠時間も減っていって、それに逆らって酒の量は増えていった。



12:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 01:01:06.89 ID:Pk6xABjY0
金はどんどん減っていきそろそろ働かなければやばいそう思った。

だが頭ではそう思っていても行動に移せない。
仕事を探すような気力が俺にはもうなかった。

以下略



13:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 01:01:54.99 ID:Pk6xABjY0
ある晩、冷蔵庫を開けたら酒がなかった。
まだ寒い時期だったがしかたなくコンビニに行くことにした。
月の綺麗な夜で、ひんやりと澄んだ空気が心地よかった。

ふと気になって財布を開けるといくらかの小銭とカードしか入っていない。
以下略



14:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 01:03:00.12 ID:Pk6xABjY0
惨めな帰り道で閃いたことは目の間にある家に入ろう、ということだった。
電気のついていないその家は明るい月夜の中で逆に浮いていた。
家人は留守だろう、これならいけるだろう、そう思った。

俺はその家に入らなければいけない、そうすればなんとかなる、義務感のようなものに駆られていた。
以下略



15:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 01:03:37.48 ID:Pk6xABjY0
敷地に忍び込んで扉に手をかけるとすんなりと開いた。

鍵はかかっていなかったようだ。
息を殺して忍び込み中を探索する。
月の光のおかげで視界には困らなかった。
以下略



16:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 01:05:32.63 ID:Pk6xABjY0
シンクがある。キッチンだろう。
棚を開けると食器があったが割れていてどれも金にはなりそうもなかった。
下の棚を開けると包丁があったからそれを頂戴した。

今思えば実は心細かったのかもしれない。
以下略



17:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 01:06:46.76 ID:Pk6xABjY0
それを手にしたまま再び探索する。
次に和室に入った。
和室だと思ったのはフローリングだった床が畳になっていたからだ。



18:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 01:11:14.35 ID:Pk6xABjY0
目の端に何かが映る。
ひやりとはしたが俺は人だとは思わなかった。
ああ、また社長か、振り向けば消えてしまうのだろう、そう思った。

しかし目を向けた先には確かに人の形をしたものがいた。
以下略



19:名無しNIPPER[sage]
2015/02/12(木) 01:11:57.87 ID:Pk6xABjY0
そいつの顔はあまりに青すぎた。青白いなんてものではない。
文字通り真っ青だった。
着物みたいなものを着てこっちを見ている。

俺はとうとう気が触れてしまったようだ。
以下略



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