過去ログ - 花陽「ふたり乗り タイムカプセル」
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1:※りんぱな(某所にて投下済み)[sage saga]
2015/02/14(土) 04:36:20.77 ID:32fv2ES+o

 そういえば、
 十年前も神様のお話からはじまりました。


 お米ひとつぶには七人の神様がいるんだって、

 って教えてくれたのは凛ちゃんです。


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2:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:36:58.98 ID:32fv2ES+o

 あの時も凛ちゃんの家のお風呂に二人で入ってて、
 花陽はそこの黄色いプラスチック製のちっちゃいイスに座ってて、
 背中をごしごし流してくれていました。

以下略



3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:37:25.57 ID:32fv2ES+o

 今では神様の名前だけなら、もう少し多く挙げられます。

 神様の名前だけじゃなくって、
 覚えなきゃいけないこと、覚えてしまったこと、
以下略



4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:37:52.13 ID:32fv2ES+o

 ――ねぇ、おふろはいろ。


 ときどきこうして誘い合わせては、
以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:38:18.71 ID:32fv2ES+o

「わはぁっ、やっぱおっきい!」

 ひやっ、
 って声が出ちゃうのは後ろからおっぱいをぎゅってされたせい。
以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:38:45.30 ID:32fv2ES+o

「で、どうしたの?」

 ひょこって前から顔を出した凛ちゃんの目。

以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:39:11.85 ID:32fv2ES+o

「あのね、凛ちゃん……ええとね、」

 見つめる凛ちゃん。
 私の胸の奥まで、のぞき込むように。
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:39:38.41 ID:32fv2ES+o

「……ごめん、凛ちゃん。あとで、ね」

 花陽はむりくり声を大きくして
 「今度は凛ちゃん洗ったげるね」って
以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:40:05.08 ID:32fv2ES+o

「じゃあ、かよちんお願い!」

 って、髪の毛を洗い終えた凛ちゃんが後ろの私に背中を横たえました。

以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:40:31.65 ID:32fv2ES+o

 手の中で泡立てたボディソープをうなじから二の腕に滑らせて、
 片腕ずつ持ち上げて泡をすり込んでいきます。

「凛ちゃんがね、かわいいなって」
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:40:58.26 ID:32fv2ES+o

「……かよちん、だぁいすき」

 歌うような声がふりそそぎます。

以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:41:24.80 ID:32fv2ES+o

 仏様みたいに目を閉じたままの凛ちゃんが花陽に言いました。

 そうだね、流さなくっちゃね。
 ゆるめに開いたシャワーの水流、
以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:41:51.38 ID:32fv2ES+o

 すべて洗い流した花陽たちはいつも通り一緒にお風呂に浸かります。

 浴槽には、三分の二ほどしかお湯を張らないことにしています。
 ざぶんとはみ出て流れ出るのが凛ちゃんは好きだったけれど、
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:42:17.96 ID:32fv2ES+o

 身体を沈める水の音が引いて、
 波もおだやかになるころには、骨の奥まであったまってきます。

 凛ちゃんも同じで、
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:42:44.55 ID:32fv2ES+o

 ねぇ、ぎゅってして。

 いいよ、おいで。

以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:43:11.13 ID:32fv2ES+o

 私たちは、ときどきこんなふうにします。
 凛ちゃんが私を抱きしめたり、私が凛ちゃんを抱きしめたり。

 いつの間にか、
以下略



17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:43:37.70 ID:32fv2ES+o

 来年から、この学校でも文系クラスと理系クラスに分かれるそうです。

 文理選択の提出用紙が昨日、ホームルームで配布されました。

以下略



18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:44:04.28 ID:32fv2ES+o

 このお湯だって身体が大きくなれば
 湯船の水かさだって減らさなくちゃいけないです。

 三分の二でも足りなくって、
以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:44:30.86 ID:32fv2ES+o

 いっそ、

  ふやけちゃえたらいいのにね。

以下略



20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:44:57.42 ID:32fv2ES+o

 お風呂に入ると
 こうやって人には通じない新しい言葉ができたりして、
 ここは花陽たち二人だけの国になります。

以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:45:23.96 ID:32fv2ES+o

 ねえ、おぼえてる?  七人の神様のこと。

 そうだね。
 あの時、大変だったよね。
以下略



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