31: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:18:15.02 ID:kKUfzB5A0
帰ってきてから何も言ってこなかったと思ったら、父もいるこの場で話させるつもりだったのか。
上等です。
「アイドルのプロデューサーだそうです」
32: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:19:58.01 ID:kKUfzB5A0
少なくとも貴方のおかげでは、ない。
あの人は私の向こう側にいる母ではなく、私を見てスカウトしてくれたのだ……と思う。
「だけど、残念ながら諦めなさい。貴方は私の跡継ぎになるのですから」
33: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:21:57.26 ID:kKUfzB5A0
20○△年 D月X日
「こんにちは。橘さん」
34: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:24:24.66 ID:kKUfzB5A0
一方的な言葉の暴力。
三月ウサギと帽子屋とネムリネズミのティーパーティー。
「アイドルになる事は、できません」
35: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:26:17.50 ID:kKUfzB5A0
20○△年 D月Y日
今日は雨が降っていた。
36: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:28:00.86 ID:kKUfzB5A0
おかしい。
声を、かけてこない。
「……」
37: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:30:24.74 ID:kKUfzB5A0
「風邪、引きますよ」
「……やっぱり?」
身長差のせいで傘は届かない。
38: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:32:36.64 ID:kKUfzB5A0
「いいのか?俺みたいなのが橘さんの家に行っても」
「……何とか説得します」
どうか母がいない事を祈ろう。一番説得するのが面倒くさいのがあの人だから。
39: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:35:12.94 ID:kKUfzB5A0
「……橘さんって」
「なんですか?」
私の部屋。お風呂あがりの彼と二人で過ごす。
40: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:37:46.83 ID:kKUfzB5A0
「いつまでも水びたしのままでは私の部屋にこられた時に困ってしまいます」
「そりゃそうだ」
Pさんは今、父の古着を着ている。
41: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:39:14.01 ID:kKUfzB5A0
「私のどこをそんなに……」
私がそう言うと、彼は少し考え込むように唸ってから答えた。
「笑顔、かな」
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