47: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:49:37.26 ID:kKUfzB5A0
「どう……とは?」
だが、ウミガメから放たれた言葉は思いもよらぬものだった。
「アイドルになりたいと……思っているのかい?」
48: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:51:47.56 ID:kKUfzB5A0
20○△年 E月G日
一週間が経った。
49: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:54:06.42 ID:kKUfzB5A0
「まだ、アイドルになりたいと思っているのか?」と。
私は毎日「はい。あの人と一緒に」と答えるだけ。
ただ、今日に限ってはそうはいかないかもしれない。あの人を疑い始めた、今日に限っては。
50: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:55:49.60 ID:kKUfzB5A0
考えてみてもわからない。私はそこまでアイドルやあの人に固執していただろうか。
疑っても尚、信じたいと思っているのか。
「……そうか。わかった」
51: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 14:58:33.73 ID:kKUfzB5A0
強く言ったつもりが、声が震えている。
なんと情けない。
「母さんに……君がアイドルになりたがっていると、言いに行く」
52: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 15:00:11.96 ID:kKUfzB5A0
「ありすがアイドルをやるという話……最初は真に受けなかった。すぐにお帰りいただいた」
「……当たり前、ですよね」
「だけどその日から毎日彼は私のところにやってきては、言うんだ。『彼女をアイドルにしたい』と」
53: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 15:02:09.94 ID:kKUfzB5A0
「君は……もしこの生活を失くしても……もしこれから先、困難が待っていても……アイドルに、なりたいと思うかい?」
54: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 15:10:54.70 ID:kKUfzB5A0
20○△年 E月I日
「よ、久しぶり。橘さん」
55: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 15:13:02.78 ID:kKUfzB5A0
ありす イン ワンダーランド。
ううん。
ありす アンド P イン ワンダーランド。
56: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 15:14:25.07 ID:kKUfzB5A0
「それもあります。あの人が、あそこまで母に言うなんて思ってませんでした」
「橘さんの親だからな。もしかしたら橘さんが饒舌なのも、父親譲りかもしれないぞ?」
57: ◆uCbLPg/WnY[saga]
2015/02/23(月) 15:16:10.87 ID:kKUfzB5A0
首を撥ねられたジャバウォックはうめき声をあげた後、静かに椅子に沈みこんだ。
「……すぐには決められない。少し話をしましょう」
掠れた声で彼女は言葉を搾り出した。
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