17:名無しNIPPER[sage]
2015/03/12(木) 21:34:28.65 ID:kbtQlBoJ0
乙です
既に波乱ありそうな空気醸し出してて、非常に先が気になります
18: ◆/BueNLs5lw[sage saga]
2015/03/15(日) 01:29:29.88 ID:nM/hpqdN0
この間送られてきたメールには、窓から撮ったであろう虹の写真が映っていた。
少しブレていたけれど、街の上にかかる七色の橋は綺麗だった。
見たことのないベランダ。窓枠からの景色。
山の上にあるお城。その先の海辺。
端に映る洗濯物。
19: ◆/BueNLs5lw[sage]
2015/03/21(土) 12:53:56.32 ID:3oDo0G9g0
「楽しみですね。私、初めてなんです」
「観光じゃないけど」
「わかってますよ」
20: ◆/BueNLs5lw[sage]
2015/03/21(土) 13:27:39.93 ID:3oDo0G9g0
と、そう言えば。
「ゆき」
「はい?」
21: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/21(土) 19:00:31.58 ID:3oDo0G9g0
ゆきは人懐っこい性格だった。
初対面には多少人見知りすることもあるが、
最近は仕事とプライベートを――たぶん分けることができていると思う。
ゆきが私の下につくようになったのは、
22: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/21(土) 19:06:50.86 ID:3oDo0G9g0
その日の夜。
一日にたった1便しか出ない愛媛行きのフェリーへ向かう途中のこと。
「デートみたいですね」
23: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/21(土) 19:27:06.94 ID:3oDo0G9g0
皮膚にべたつく海風に身体を震わせ、フェリーまでの連絡通路で急にゆきが振り返った。
嬉しそうにしている所、
「いや、違うから」
24: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/21(土) 19:36:56.90 ID:3oDo0G9g0
明朝。仕掛けていたアラームより早めに目が覚めた。
ゆきも物音に気がついて、もそもそと起き上がる。
寝る寸前までなんとなく気になっていた船のエンジン音が、
再び腹の底に響いていた。
25: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/21(土) 19:55:07.17 ID:3oDo0G9g0
港のタクシー乗り場まで来ると、声をかけられた。
「あの、有馬さん……ですか?」
後ろからだったため、先にゆきが返事をした。
26: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/21(土) 20:13:37.88 ID:3oDo0G9g0
「たばこ、吸っていい?」
街へと通じる幅の狭い生活道を運転しながら、彼女は言った。
「どうぞ」
209Res/94.13 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。