2:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 00:51:49.39 ID:j6K9ZfLpO
首を失った胴体が痙攣して果てる。
妙に潔い、そして強いオークだった。変異種だろうか?’
いや。やつらからみれば、女だてらに剣を振るっている私こそ変異種なのかもしれない。
3:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 00:52:25.09 ID:j6K9ZfLpO
オーク共の死体を積み上げ、焚き木を積んで火をかける。
面倒だが、死体をそのままにしておいては疫病が発生するのだ。
点火してしばらくすると火柱が立った。奴らは脂肪がたっぷりあるだけよく燃える。
4:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 00:53:07.94 ID:j6K9ZfLpO
オークは突然発生した。
野生の豚が変異を起こしただとか、魔術師の実験のせいだ、邪神が復活した、などと噂は立つものの実態はわかっていない。
奴らは突然森からあらわれて、辺境の村や街を襲い始めた。
5:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 00:54:59.21 ID:j6K9ZfLpO
やつらの脅威はまず、その体格だろう。
分厚い毛皮と脂肪は下手な刃をとおさず、成人男性より二回りはおおきいその身体から繰り出される打撃は容易に人の命を奪う。
主にその辺の木を引き抜いて棍棒にしているが、戦利品の剣を振り回しているオークもいる。
6:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 00:56:11.67 ID:j6K9ZfLpO
オークは雄しかいない。
ならばどうやって繁殖するのか?
知っての通り、忌々しいあの連中は他種族の胎を用いるのだ。
7:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 00:57:01.92 ID:j6K9ZfLpO
そして繁殖能力のないもの、老人、男は殺されて奴らの餌。
奴らは男ども手足をむしり取って手羽先のようにかじり、胴体を2つに折って、鼻をつっこみ内蔵をむさぼる。
そして血に酔って女を犯す。
8:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 00:58:05.60 ID:j6K9ZfLpO
日もすっかり沈んだ頃にようやく今回の宿営地の街についた。
我々のような騎士隊は街に常駐している騎士団とはちがい、被害の多いところを回るため、ひと処に滞在するということがない。
この街もせいぜい5日もしないうちに去ることになるのだろう。それでも帰る場所があるというのはありがたい。
9:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 00:59:01.28 ID:j6K9ZfLpO
川からでて身体を拭うと、徐々に身体に熱が戻る。
今日の晩は私の払いに、という旨を副長に伝えさせると、部下たちから歓声が上がる。
皆が服を着終えるのをまって、門をくぐる。
10:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 01:00:37.49 ID:j6K9ZfLpO
ほどほどの広さの店の半分を占めているのは間違いなくこの街の騎士団の皆さんだろう。
すっかり静かな酒場を抜けて席に着こうとすると、酒で潰れた野卑な声をかけられる。
「おう、姉ちゃんよう、店ぇ間違えてるんじゃねえのか?」
11:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 01:01:24.39 ID:j6K9ZfLpO
部下たちを見ると唇を噛んで顔を真赤にしている。
もう慣れているはずだが、いちおう手で抑えておく。
「お前らもこんなのが隊長で大変だなあ、おい?」
12:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 01:02:44.07 ID:j6K9ZfLpO
私達が動かないので調子づいたか、酔客が数人席を立ってつめよってくる。
「……なにか?」
「てめえがここで飲むのが気に食わねえってんだよ。おう、何とか言えよ、姉ちゃんよう? ついてんのは下の口だけかい?」
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