31: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:40:45.15 ID:Ji5E8QnL0
男は二人の背中を涙を流しながら見送ることしかできなかった。
妹「嫌っ!!嫌っ!!行かないでっ!!」
急に妹は実感が沸いてきたのか、ヒステリックに叫び始める。
32: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:41:13.30 ID:Ji5E8QnL0
無駄口をたたきながら進むということはまだ心に余裕があるということか…。
しかし、そこらじゅうに焼け焦げた死体が転がっていて、確実に精神をむしばんでいる。
曲がり角を曲がるときは細心の注意を払って丁字、または十字路に飛び出す。
33: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:41:45.19 ID:Ji5E8QnL0
父「今助ける」
ぐっと力を込めて瓦礫を持ち上げる。
ゆうに300キロはあるように見えるが、それを放り投げる。
34: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:42:13.52 ID:Ji5E8QnL0
とにかく着ている衣服を破き両足の出血を止めようと試みる。
父はもう手遅れだと悟っていた。
母は、託された娘の人工呼吸と心臓マッサージを行いながら、彼女の能力である自然治癒の強化を行う。
35: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:42:47.03 ID:Ji5E8QnL0
二人の遺体を寄り添うように隅の方に安置する。
父「まだ生きてる人がいるかもしれない…」
この絶望の中のわずかな希望を探りつつ、父は立ち上がる。
36: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:43:13.50 ID:Ji5E8QnL0
「骨のねえやつらだな…。死んじゃえ」
消し飛ばす。
大爆発の跡、降ってくるのはバラバラのパーツと血飛沫。
37: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:44:13.38 ID:Ji5E8QnL0
立ち込める煙の中から飛び出してきたのは母だ。
母「…ふっ!」
一足飛びに爆弾魔のもとへ、一息で数発の拳を叩きこむ。
38: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:45:32.55 ID:Ji5E8QnL0
そういうわけで、最初で仕留め損ねたのは大きなディスアドバンテージだった。
しかし、勝算も無しに一人で飛び出すほど彼女は賭け好きでもない。
爆弾魔「ぐおっ!!」
39: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:46:01.85 ID:Ji5E8QnL0
衝撃波を受けて気を取られてる間にすでに間合いを詰める。
狙いは顎のあたりに定めて一発KOを狙いにいく。
爆弾魔「ぐっ!クソがっ!」
40: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:47:02.49 ID:Ji5E8QnL0
父「!!」
遠方にいた父は急いで駆け寄る。
しかし、母はお腹を抉られ、壁際に倒れていた。
41: ◆lcKKZiGDsY[saga]
2015/03/13(金) 16:47:32.37 ID:Ji5E8QnL0
彼はしゃがみ込み、静かに涙を流す母に尋ねる。
爆弾魔「なんか言ったらどうだ?」
首を掴み持ち上げる。
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