過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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912: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/23(水) 19:45:32.82 ID:Leypu+/yo
○▼


わたしの名前は宮永咲。小学四年生の女の子です。

以下略



913: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/23(水) 19:46:27.12 ID:Leypu+/yo
実は、家にいることは知っています。来る前にあらかじめ占いをしました。

お母さんがいないことも知っています。わたしがこの家に着いたとき、おねえちゃんはこの家にひとりでいると決まっているのです。

会える瞬間を心待ちにしながら待っていると、玄関についたインターフォンの向こうからくぐもった声が聞こえてきました。
以下略



914: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/23(水) 19:47:21.72 ID:Leypu+/yo
どうして、会ってもくれないんだろう。この前、電話してきてくれて、いっぱい、いっぱい話して、大切なことを教えてくれたのに。

心配してくれてるんだと思った。だから、会いにいけばきっと会ってくれるって、そう思ってたのに。

その場に崩れ落ちて、わんわんと泣き出したくなります。でも、きゅっと唇を噛みしめて、これ以上涙を流そうとするのをこらえました。
以下略



915: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/23(水) 19:48:16.48 ID:Leypu+/yo
「その本……」

左のたなごころに握られた一冊の本に目が止まります。

「ああ、麻雀の本ですよ」
以下略



916: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/23(水) 19:49:00.72 ID:Leypu+/yo
○▼

朝陽の光りがカーテン越しに漏れる寝室で、咲は目を覚ます。

夢を見たようだ。
以下略



917: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/23(水) 19:51:12.18 ID:Leypu+/yo
「ねえ」

通学するために乗った電車の車内。専用車両の座席で隣に座ったネリーから声をかけられて振り向く。

「うん?」
以下略



918: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/23(水) 19:52:01.49 ID:Leypu+/yo
「家族なんかにも?」

「うん。ネリーちゃんが、そうしてほしいなら」

できるだけ自然に返す。事情はどうあれ家族にも隠し事めいたものを意識して抱える。あの頃のように。内心、反発する思いは小さくなかったが、こうもしおらしくネリーに頼まれれば聞き入れてもあげたくなる。
以下略



919: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/23(水) 19:52:56.94 ID:Leypu+/yo
「サキ、今日はネリーとペアね!」

決定事項であるかのように告げるネリーに「うん、組もうか」と微笑んで返す。

「よし、がんばろー」
以下略



920: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/23(水) 19:53:46.24 ID:Leypu+/yo
「やったー、ネリーの勝ちだね!」

暫くして。半荘が終わって勝敗が決する。

持ち点二万五千点の三万点返し、ハコ下なしのルールでネリーが一位、咲が二位、そして日本人部員二人が続く結果となった。
以下略



921: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/23(水) 19:54:51.02 ID:Leypu+/yo
「おーい」

肩に何か触れるものがあった。ちょんちょんと誰かに肩を叩かれているみたいな。同時に、すぐ近くで呼ぶような声。

なんだろう。振り向いてみると、そこには見知った人の顔があった。
以下略



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