16: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/03/26(木) 01:00:06.21 ID:avES/eip0
「そうと分かれば、ウサミンキーック!!」
後方のビルの壁にうまいこと着地した菜々は、壁を蹴りスキャンダールに向かって飛び蹴りをかました。
それを受けたスキャンダールは、ボールのように吹き飛び、ビルをいくつも破壊しながら後方に飛んでいった。
「…………あわわわわ」
自分の蹴りで、ビルが倒壊していく様を顔を青ざめながら見る菜々。さながら、怪獣映画で怪獣が突進でもしたような惨劇が目の前に広がっていた。
さっきとは別の意味で冷や汗が吹き出る菜々。想像以上に強すぎる自分の力で、敵よりも街を破壊してしまいそうだった。いや、既に破壊している。
「なるほど、だいたい分かりました……」
コンクリートの塊から、瓦礫をどけて登場する幸子。まだ直接的な戦闘はしていないのに、その姿はもうボロボロだ。
体の砂埃を払う。そして、その瞳が敵を捉えると、幸子は敵目掛けて突進した。
さっきの幸子同様ビルの壁に埋まっている敵は、今だに動く気配はない。
「これで決まりですよ!! あっけなかったですね!」
にやりと笑いながら、敵の数メートル前で飛び跳ね、ドロップキックを繰り出す幸子。
だが、幸子がジャンプすると同時に、敵はビルの呪縛から抜け出してきた。
「……あ。ガガゴゴボバッッッ!!!!」
敵がいなくなったが、繰り出した蹴りは急には止まらない。幸子は、そのまま敵のいなくなったビルに突っ込み、コンクリートを砕きながら全身すっぽりと刺さってしまった。
その光景を、プロデューサーは手を目に当てて、見ていられないといった様子で顔をそらしていた。
再び戻ってきたスキャンダールは、菜々と激闘を繰り返す。なんとなくコツを掴みつつある菜々は、スキャンダールと良い勝負をしていた。
ちなみに、杏はというと、菜々が戦っていることをいいことに気の陰に隠れて休んでいた。
「プロデューサーさん! こんな殴る蹴るだけじゃ埒が明きません! なにかないんですか!?」
すると、プロデューサーは、どこからか小さなガラスの靴の形をしたアイテムを取り出した。
「これをっ! それを、シンデレラ香炉の上部に挿してください!」
投げられたものを見事キャッチした菜々は、敵と距離を取る。そして、シンデレラ香炉を取り出し、言われたとおりにその小さなガラスの靴を挿した。
『グラススリッパァ!! シンデレラ武装!』
挿入と同時にやたらテンションの高い声がシンデレラ香炉から鳴り響き、カボチャの形をした光の塊のようなものが現れる。
それを掴むと、光は形を変え、手に馴染むように武器へと形状変化する。
気がつくと、菜々の手には、しっかりと形と質量を持つ武器が握られていた。
「……シンデレラ鈍器です」
「物騒だよ!!!」
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