17: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/03/26(木) 01:01:12.38 ID:avES/eip0
菜々は握っていた金棒を怒りに任せて投げ捨てた。放り投げだされた鈍器は、ビルを直撃し、また1つ、ビルが倒壊した。
確かに物騒だった。
「……プロデューサーさん! 他には!」
18: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/03/26(木) 01:02:06.40 ID:avES/eip0
『ファイナル シンデレライドゥ……』
「なんかライドとか言ってるんですけどっ!!!?」
さっきまでと明らかに違う音声に戸惑う菜々。今度はさっきまでのテンション高い声ではなく、低くて渋く落ち着いた声だ。シンデレラ香炉がテュィーン、テュィーンという待機音を発しながら光っていた。
19: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/03/26(木) 01:03:25.35 ID:avES/eip0
顔面蒼白になりながら、キャスータは震えていた。予想以上の威力に戦慄しているようだ。
それは菜々も同じだが。
あまりの必殺技に、菜々自身もう呆けるしかなかった。
完全に、本気出せば地球を破壊できるレベルである。
20: ◆2YxvakPABs[saga]
2015/03/26(木) 01:04:14.23 ID:avES/eip0
杏の意識は目の前の敵より、飴に向いている。
ふんすふんすと鼻を鳴らす杏は、いつもよりエンジンがかかっているようにも見えた。ギアが入ったようだ。
「ぼ、ボクもいますよ……カワイイボクは、ビームごときでは死にません……」
21: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/03/26(木) 01:04:53.53 ID:avES/eip0
――*――*――*――
『グラススリッパァ!! シンデレラ武装!』
22: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/03/26(木) 01:05:32.85 ID:avES/eip0
「あぁ! ボクのカワイイパンツが見えそうです!」
幸子は、スカートを抑えるが、抑え方がどう見ても甘い。見えるか見えないかのギリギリのラインを攻めていた。
「くっ、私の風の能力を利用してパンチラを演出するとは……やるな」
23: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/03/26(木) 01:06:42.78 ID:avES/eip0
「おら、どうしたキュアフニャフニャ! 避けるだけじゃ俺は倒せねぇぞ!」
炎の弾をかわし続ける杏。ひたすら避けるだけの作業になっているためか、杏のモチベーションはどんどん下がってきていた。
なんかもう面倒くさい……そんな言葉が杏の口から漏れる。
一撃喰らって死んだふりでもしようかな、と杏の思考がその結論に至る直前、プロデューサーの声が聞こえた。
24: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/03/26(木) 01:07:36.51 ID:avES/eip0
「うわっ! うわわっ!! ひ、卑怯ですよそんな防御! 正々堂々勝負してください!」
色々な武器を出しては、攻撃しているが、まるでレーポタには当たらない。涙目で幸子は逃走する。
「お前こそ逃げてないで正々堂々勝負しろ!」
25: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/03/26(木) 01:08:43.52 ID:avES/eip0
「きゃぁぁ!!」
敵を倒して一段落する2人の間に、悲鳴と共に菜々が吹き飛ばされてきた。
アスファルトの地面に食い込む彼女はボロボロだ。幸子ほどではないが。
26: ◆2YxvakPABs[saga]
2015/03/26(木) 01:09:51.52 ID:avES/eip0
「アイドルとは民衆に振り回される哀れなマリオネットよ。やつらはすぐに手のひらを返すぞ。次から次へと現れては消えていく、まるで泡のような存在だ。そこに自分の意志など、存在しない。そんなアイドルを、お前はなぜやっている」
アナウンーサのパンチを、菜々は片手で受け止めた。その事に、アナウンーサは驚きを隠せない。
「確かに、あなたの言うとおりかもしれません」
27: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/03/26(木) 01:10:29.76 ID:avES/eip0
「……アイドルは、いずれ自分自身を破滅に追い込む。破滅せずにいられるのはほんの一部だ。お前は、そんなアイドルをしながら、プリキュアをして、身も心もボロボロになるのか?」
「ボロボロになるかもしれない……でも、菜々はアイドルもプリキュアも途中で諦めません!」
菜々の気持ちに同調するように、ウサミンビームも威力を増す。
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