過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
↓ 1- 覧 板 20
50:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:28:42.03 ID:jVBRPo/YO
よくこういう時、時間がどれだけ経ったかわからなかった等という話が挙がったりするが、
あれ、これ息どうするの? なんて方に考えが行っちまって、五秒後には唇を離していた。
51:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:30:35.71 ID:jVBRPo/YO
その後も俺と佐々木は、俺達なりに楽しく緩々とした毎日を送っていた。
まあ俺の頑張りにより多少は刺激的になった、と言っておこう。
52:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:34:58.02 ID:jVBRPo/YO
なんやかんやで学期末試験も上々な成績で終わり、特段忙しい毎日を送っていた訳ではないのに、
流れるように一年が終わってしまったものだ、と感慨に耽りつつ春休みを浪費していると、
53:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:37:21.81 ID:jVBRPo/YO
新教室に入り、約一年ぶりに教室中央に位置する席に荷物を置く。
「よう、また同じクラスだな」
54:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:40:31.39 ID:jVBRPo/YO
授業が終わった後、いつも通り佐々木と共に部室に行こうと、
「今日谷口によ、文芸部室じゃなくてお前らの愛の巣じゃねえの、なんて言われちまってさ。
55:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:42:38.64 ID:jVBRPo/YO
おそらくこの日が境だろう、以後、佐々木はしばしば不審な挙動を示すようになっていた。
突然考え込むように首を捻ったり、話しかけても俯いて反応しなかったり、
56:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:44:55.89 ID:jVBRPo/YO
佐々木の異常は悪化の一途を辿って6月も半ばになり、俺の忍耐力は底をつきかけていた。
あいつは目に見えて痩せてしまい、クラスメイトも遅まきながら変化に気づいたようであったが、
57:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:46:46.40 ID:jVBRPo/YO
七夕。澄み渡るような美しい青空であったが、それとは対照的に佐々木からは暗いオーラが出ていた。
「佐々木、今日で付き合って一周年だ。一年間ありがとう」
58:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:48:52.33 ID:jVBRPo/YO
佐々木は楽しげに喉を鳴らした。ああ、この笑い声も久しぶりな気がするぜ。
「良いかい? まず端的に言うよ」
59:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:51:54.91 ID:jVBRPo/YO
俺の答えには何も言わずに、佐々木は続ける。
「この一年半ぐらいだろうか。僕にとって都合が良すぎることが連続して起きたんだ」
60:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:54:52.48 ID:jVBRPo/YO
「無理が祟ったのか中3の冬、突然母親が倒れてね。幸いにも生死に関わるということは無かった。
しかし休職が余儀なくされたんだ。すると少ない手当を案じた父が金銭面の補助を提案してくれた。
182Res/144.40 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。