過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
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14:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:34:06.96 ID:JxUSEnW0o
メールを送れば、返ってこないわけではないのだ。時間はかかるが、短い文だが、ちゃんと返してくれる。
けれど、付き合っていたころとはまるで違う、飾り気のないシンプルなメールを見ることが悲しくて、
メールを続けようとする意思がないことを感じてしまえる文章、それを撫子に送らせてしまっていることが嫌で、
せっかく終わらせてくれた撫子の気持ちを受け止めてあげられない自分が、やつあたりをしているようで、
自分からも、連絡することは絶っていたのだ。
最後に撫子から返ってきたメール、どんなものだったか思い出せないけど、思い出せないくらい形式的で感情のない文章だったと、それだけはわかる。
それでももう一度見てみよう、高校生活のときとどれだけ違う文章になったか見てみようと、スマートフォンを取り出す。
ここには二人で何度も交わしたメールも残ってて、みんなで撮った写真も入ってて、確かに付き合っていた頃の輝かしい過去が残っている。
メールのアイコンをタッチして、受信BOXを開こうとして、そこで液晶に雨のしずくがぽつりと落ちた。
雨だと思ったのに、気づいてみれば自分の涙であった。また、自分でも気づかないうちに泣いてしまっている。
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