過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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511: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:54:35.14 ID:OBJgOl+No

 今事務所には、社長以外には二人しかおらず、他の皆はちょうどいなかった。
 故に、ちひろの吐いた溜息ですらピィの耳に届くほどに静かである。

「まったく、一時はどうなることかと思いましたよ。ピィさん」
以下略



512: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:55:26.87 ID:OBJgOl+No

 ピィはそんなちひろの言葉に何も言わなかった。

 赤ん坊に育てるのは困難だ。何でも吸収するその脳に、刻む情報を取捨選択しなければならない。
 獣を人に育てるのはさらに困難だ。野生と言う価値観を、理性と言う思考回路で抑えることを教え込まなければならない。
以下略



513: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:56:12.00 ID:OBJgOl+No

「……その妙に俺に似た人形。なんですかそれ?」

「『ピィ君人形』です。晶葉ちゃんが暇つぶしに作ったみたいで、頭を押すと声が出るんですよ」

以下略



514: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:56:53.56 ID:OBJgOl+No

「ふがいないピィさんに少しイラついてしまったので、ちょっとしたイタズラです♪」

「ちょっとしたどころの話じゃないよ!こんなの飲んだら口の中焼けただれて2メートルぐらい跳ね上がりますよ!!」

以下略



515: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:57:38.91 ID:OBJgOl+No


***


以下略



516: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:58:38.17 ID:OBJgOl+No

 『プロダクション』に多大な迷惑をかけたことなど、決していい思い出とは言わないがそれでもあの一日はアーニャにとっては重要な一日であったことには間違いない。
 あの日があったからこそ、今アーニャはヒーローを続けているのだ。

 だが今回の件で、アーニャはあまりにも無力であった。
以下略



517: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:59:14.50 ID:OBJgOl+No

 アーニャにとっても『エトランゼ』は嫌いな場所ではない。
 みくや他の従業員とも会えるし、あの店の雰囲気をアーニャは気に入っている。
 居心地のいい場所であり、働いていても楽しい場所なのだが何かが違うとアーニャはたまに思うのだ。

以下略



518: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 01:00:25.90 ID:OBJgOl+No

(……メロン味)

 緑色のガラス玉のようなそれを口に銜えながらアーニャは『エトランゼ』を訪れた理由をチーフに話す。

以下略



519: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 01:01:02.50 ID:OBJgOl+No

「ダー……はい、アリガトウ、ございます」

 確かにアーニャは落ち込んではいる。
 ヒーロー活動を禁止されていることは、アーニャにとっての悩みであるかもしれないが、ここで話したところで何かが変わるわけではない。
以下略



520: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 01:02:10.99 ID:OBJgOl+No

 エトランゼの更衣室へと入ると、目につくのは壁面に沿うように並べられたロッカーだ。
 一つ一つに名札がつけられているものの、ここで働いているもの全員でこの膨大なロッカーをすべて使いつぶすことはできないようだ。
 名札の付いていないロッカーもちらほらとみられ、チーフに至っては4つ分のロッカーを占有している始末である。

以下略



521: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 01:02:52.09 ID:OBJgOl+No

「……ところで、どうしてそんな話を、していたの、ですか?」

 猫のくせに魚嫌いのみくが、魚のことを会話のネタにしていることは珍しい事であった。
 話の流れを掴めないアーニャはその点に疑問を抱く。
以下略



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