過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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606: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/01/16(土) 18:42:21.98 ID:Ah1rtJBzo

 そもそも、疑問はまだあった。
 なぜ、今になって目の前に姿を現したのか?
 これから一体、何をする気なのか?
 アーニャには、目の前の『自分』が何を考えているのかさっぱりわからない。
以下略



607: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/01/16(土) 18:42:55.88 ID:Ah1rtJBzo

「ま……って……く……」

 『アナスタシア』のその言葉を最後に、アーニャの意識は途切れる。
 その場に倒れ込んだアーニャを見下ろしながら『アナスタシア』は小さく嗤う。
以下略



608: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/01/16(土) 18:44:14.05 ID:Ah1rtJBzo

 エトランゼの朝は早い。
 開店時間は午前10時からであり、事前の開店準備も含めれば9時前から準備しなければ間に合わない。

 メイド喫茶だとは言っても、客に提供する者には妥協はしない。
以下略



609: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/01/16(土) 18:44:47.53 ID:Ah1rtJBzo

 蹴りだされたみくは、店の奥から転がるように飛び出していく。
 きれいに前転しながら、男の前へと転がり止まる。

「う……にゃあ。ご主人さま、ご注文は……?」
以下略



610: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/01/16(土) 18:45:27.13 ID:Ah1rtJBzo

 有無を言わせぬその声は、みくを撤退させるには十分であった。
 注文を取るという自らの仕事を果たしたみくは店奥に戻ると滑り込むように崩れ落ちた。

「お……ムライス、一つ」
以下略



611: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/01/16(土) 18:46:17.27 ID:Ah1rtJBzo

 ここで何かに気づいたチーフ。
 のあと、若干復活したみくがチーフの方を向く。

「あの明らかに堅気じゃない風貌。いくつもの修羅場をくぐってきたと思われる眼光。
以下略



612: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/01/16(土) 18:46:53.02 ID:Ah1rtJBzo

「なるほど……聞いたことがあるわ。

最近ではレストラン側が星を貰うために苛烈な行動を起こすようになってきて、ミ○ュランの審査員たちが脅されるということがあるらしいわ……

以下略



613: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/01/16(土) 18:47:43.34 ID:Ah1rtJBzo

「まさか……貴女が動くというの?チーフ」

 無表情ののあでさえ、チーフのその宣言によって表情に驚きの色がにじみ出る。
 周囲で仕事をしていた他のメイドたちもざわつき始めた。
以下略



614: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/01/16(土) 18:49:21.55 ID:Ah1rtJBzo

「火力が足りない!!」「トマトどこ!?」
「泡だて器片付けて!」「皿をよこせ!」

 荒れる厨房。台風のごとく。
以下略



615: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/01/16(土) 18:50:02.49 ID:Ah1rtJBzo

「…………」

 男は静かに咀嚼する。
 その間エトランゼ内は沈黙に包まれており、陰からみくを含めるメイドたちがその様子を覗いていた。
以下略



616: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/01/16(土) 18:50:57.60 ID:Ah1rtJBzo

 男の口から出たのは、称賛の言。
 それを聞いたチーフは、自分の料理を一流の料理審査員に認められたと錯覚する。

「だが、少し待たせすぎだ」
以下略



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