過去ログ - 岡崎泰葉「私は、アイドル」
1- 20
5: ◆XmxU5oRmnc
2015/04/16(木) 16:07:31.84 ID:dpPJnMuC0

 そこまでいくと、私も何となく『わかる』ようになっていった。
 芸能界が華やかなだけの世界じゃない、って。
 そのことに、気付いてしまっていた。

 いわゆる『消えた子役』というのは、ここでやさぐれてしまった人のことを言うのだろう。

 ちやほやされたことにあぐらをかいて、生意気になり過ぎてしまったり。
 小さい頃から他の子どもとは比較にならないほどの経験を積んだからか、大人びて、ませてしまって、TVが求める『子ども』じゃなくなってしまったり。
 そんな子どもの中でも精一杯『子供らしく』あろうとして、TVではその通り子供らしい笑顔を振りまいておいて、でも、ツメが甘かったり。
 喫煙や、飲酒をしちゃったり。

 その頃の私は、もう『大人びていた』と思う。自分で言うのもなんだけれど、私は、他の子どもとは比較にならないほどに『大人びていた』と思う。

 芸能界が、視聴者が、世間が、何を、望んでいるのか。

 それがわかる程度には、大人びていた。

 そして、わかった上で、その『理想の子ども』を演じることができるだけの演技力が身についてしまっていた。

 結果として、私は『理想的な子ども』としての地位を確立した。

 芸能界において必要不可欠な子ども。その中でも最も『子どもらしい子ども』として。

 ある時はモデルとして。ある時は子役として。

 私は『子ども』になった。

『子ども』で在った。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
95Res/87.33 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice