6:名無しNIPPER[ ]
2015/04/20(月) 22:29:13.76 ID:7DByVA9h0
「悪い、ミントが苦手なんだ。良ければ食べてくれないか?」
「えっ、良いのですか?」
「ああ、食べてもらえた方がありがたい」
7:名無しNIPPER[ ]
2015/04/20(月) 22:33:20.36 ID:7DByVA9h0
一二〇〇頃、朝潮の顔が赤くなっていることに、私は気が付いた。
「朝潮、顔が赤いが、大丈夫か?」
「はい? はい、朝潮は大丈夫です!」
8:名無しNIPPER[ ]
2015/04/20(月) 22:34:37.10 ID:7DByVA9h0
「……しれいかん」
そして彼女は、自発的に、私の膝の上に乗ってきた。おまけに、私の腕に頬をこすりつける。
「しれいかん……」
9:名無しNIPPER[ ]
2015/04/20(月) 22:35:36.04 ID:7DByVA9h0
もしかしたら、あのアイスクリームに何かが入っていたのかもしれない。くずかごからカップを拾い、成分表を確認してみたいのだが、今はそれができない。私の膝の上で、朝潮が眠っているからだ。
また、朝潮を私のベッドに寝かせたいが、それもできない。膝に座っている彼女を、どうやって持ち上げれば良いのかが、分からない。
そして私は数分、朝潮の頭を見つめていた。
10:名無しNIPPER[ ]
2015/04/20(月) 22:37:26.51 ID:7DByVA9h0
軽い体重、小さな肩、やわらかそうな頭皮。私はだんだんと、この朝潮が、可憐で、あどけない存在に思えてきた。思えば、私もどこか、おかしかったのかもしれない。
『守ってあげたい』
きっかけは、ちょっとした出来心だったのだろう。私は朝潮の頭に手を伸ばし、頭を撫でる。そして気付いたときには、私は、両腕を朝潮の腹の前に回していた。徐々に力を入れていく。
11:名無しNIPPER[ ]
2015/04/20(月) 22:38:17.43 ID:7DByVA9h0
ぎゅっ、と、私は朝潮を抱きしめた。やわらかい体、小さい体、もっと力を込めれば折れてしまうのではないかと思えるほど、かよわい存在。
「……んっ……」
朝潮が声を上げた。しかし私は、朝潮を抱くのをやめない。
12:名無しNIPPER[ ]
2015/04/20(月) 22:40:00.66 ID:7DByVA9h0
その後、私は朝潮を横向きに座らせ、朝潮をお姫様抱っこする。
そして私のベッドまで運んだ。暑苦しいと思い、上から布団は掛けない。私はそのまま机に戻った。
夕飯の頃にちょうど、朝潮は起き上がった。自分が上官のベッドに寝ていたことに動揺しながら、私に何度も謝ってくれた。私はもちろん許した。そして私の希望で、執務室で一緒に夕飯を食べた。朝潮の表情は、どこか楽しそうに見えた。
13:名無しNIPPER[ ]
2015/04/20(月) 22:42:53.89 ID:7DByVA9h0
「朝潮」
私が呼ぶと、彼女は純粋無垢な表情を私に向け、はい、と返事する。
「私の膝の上に来なさい」
14:名無しNIPPER[ ]
2015/04/20(月) 22:44:13.27 ID:7DByVA9h0
「……司令官、これは何かの暗号でしょうか?」
今の私なら、これが朝潮の照れ隠しであると分かる。その証拠に、朝潮の表情はどこか満足げだ。
その日の夜は、ひたすら、朝潮の頭を撫でていた。初めは困惑していた朝潮も、次第に、嬉しそうな表情を見せてくる。そんな表情を見られるのが、私は嬉しかった。
15:名無しNIPPER[ ]
2015/04/20(月) 22:45:27.03 ID:7DByVA9h0
二一〇〇、就寝時刻。私は朝潮を部屋に返す。
「司令官」
朝潮は去り際に、私の方を振り向く。
16:名無しNIPPER[ ]
2015/04/20(月) 22:46:15.96 ID:7DByVA9h0
>>2
待ってくれてありがとう!
楽しんでもらえたのなら、それだけでお腹いっぱいです
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