過去ログ - 艦娘という存在
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10:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:37:59.16 ID:eM9XkrPr0
 私が着任した翌日、早くもA鎮守府で初めての出撃が行われる。
 艦娘たちは皆、『艦娘養成施設』で、ある程度の実技訓練は受けているらしいが、不安だ。
 昨日、出撃する駆逐艦と航空母艦の実力を見たのだが、そもそも初めての深海棲艦との会敵である。あてにはできない。

 「――以上。無事を祈る」
以下略



11:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:39:12.95 ID:eM9XkrPr0
 「敵艦は全艦轟沈。私と吹雪が小破をしました。以上が報告です」

 「ご苦労。次に備えてくれ」

 退出の際に全員が「失礼しました」と言った後に、再び執務室が静かになる。
以下略



12:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:40:04.00 ID:eM9XkrPr0
 第一艦隊の旗艦には、私の秘書をやってもらうことにしている。強いて言えば『秘書艦』だ。
 今日は電がやってくれている。

 提督の執務は相当に大変で、作戦の考案、戦果の艦娘別のまとめ、上への報告、情報のまとめ、などなど、多岐にわたる。
 ほとんどのものは秘書艦と分配してやっているが、一つ、私一人でやらなくてはならないものがある。
以下略



13:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:40:50.78 ID:eM9XkrPr0
***
***

 コウノトリプロジェクト、人工子宮の研究は中止となった。
 専門家として最初から分かっていたことではあった、課題が多すぎた。
以下略



14:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:42:21.43 ID:eM9XkrPr0
 そして、一人の試験個体が完成した。
 遺伝子操作を加え、筋力、生命力を高く、また、発育速度は非常に速い。そんな男子が生まれた。
 出産するとすぐ、我々研究者の元へと送られた。生まれた直後は体の機能に何の欠点もなく、健康体だった。

 2か月ほどで、成人ほどの大きさとなった。全てが順調だった。
以下略



15:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:43:04.36 ID:eM9XkrPr0
 最初は上官としての威厳を示すために、堅いキャラを演じていた。
 しかし艦娘たちと濃厚な時間を過ごすとともに、私の仮面ははがれてくる。
 私の生来フランクな性格が、艦娘に伝わっていた。気づけば、A鎮守府は戦場に似つかわしい、ゆるい鎮守府となっていた。

 そんな状況でも艦娘たちは私を慕ってくれ、また真剣に戦ってくれた。
以下略



16:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:45:50.09 ID:eM9XkrPr0

 艦娘『曙』が旗艦を務める第二艦隊。第一艦隊は現在、遠征、シーレーンの監視に行っているのだ。

 「潮の砲撃が命中、轟沈!」

以下略



17:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:46:50.14 ID:eM9XkrPr0
 航空母艦『赤城』が、代理として報告をする。

 「曙が大破、潮と漣、赤城が中破。……潜水艦から、我々は旗艦を守ることができませんでした。申し訳ありません」

 「いや、お前は悪くない。想定しなかった私の責任だ」
以下略



18:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:48:04.32 ID:eM9XkrPr0
 翌日、曙は普通に回復していた。その早さには、医師も驚いていた。
 艦娘の生命力に、私は少し、誇らしく思った。
 医務室へ曙の見舞いに行くと、曙はボーっと、窓の外を見ていた。

 「……曙、体調はどうだ?」
以下略



19:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:49:00.66 ID:eM9XkrPr0
***
***

 艦娘の製造が始まった。
 産みの親は百数十人集まり、艦隊プロジェクトは順調に進行していった。
以下略



20:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:49:51.80 ID:eM9XkrPr0
 艦娘は約2週間の授乳期を過ぎたのち、親元を離れ、艦娘養成施設に入れられた。
 寮には艦の型別に部屋が割り当てられ(姉妹艦のいない島風は陽炎型に入れられた)、
 シゲルの下で教育を。吉田健一海軍少佐のもとで実技教育を受けた。

 また、艦娘には『艤装』と呼ばれる、海上を移動しながら攻撃できる特殊な武器が支給され、その訓練も、吉田少佐の下で受けたという。
以下略



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