過去ログ - 艦娘という存在
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20:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:49:51.80 ID:eM9XkrPr0
 艦娘は約2週間の授乳期を過ぎたのち、親元を離れ、艦娘養成施設に入れられた。
 寮には艦の型別に部屋が割り当てられ(姉妹艦のいない島風は陽炎型に入れられた)、
 シゲルの下で教育を。吉田健一海軍少佐のもとで実技教育を受けた。

 また、艦娘には『艤装』と呼ばれる、海上を移動しながら攻撃できる特殊な武器が支給され、その訓練も、吉田少佐の下で受けたという。
以下略



21:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:50:52.93 ID:eM9XkrPr0
 最初に話したのが、曙だった。彼女は産みの親の危篤の連絡を受け、1日の休暇が与えられた。
 夜遅くに返ってきたであろう曙が、海岸でしゃがみこみ、着ている制服に海水をジャバジャバかけているのを、私は見かけた。
 私は隣にしゃがみ込み、曙に話しかけた。

「どうしたの? 君は確か、外に出たんだよね?」
以下略



22:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:52:09.51 ID:eM9XkrPr0
 軍部の配慮で、産みの親に会いに行った曙。初めての外の世界で地図を頼りに病院まで行き、無事、病室までたどり着いたという。
 ドアを開けると、医師と看護師の冷たい視線を受けたのち、旦那さんと思われる男性に、

「お前のせいで、嫁は死んだんだ! お前を産んだせいで!」

以下略



23:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:52:45.75 ID:eM9XkrPr0
「……胸で、何かがシャリーンて……」

まだ心の幼い曙の、大切な何かは、音を立てて崩れた。本人がそう言った。
僕は曙の背中をそっと撫でたのち、こう言った。

以下略



24:名無しNIPPER[sage]
2015/04/26(日) 20:53:00.69 ID:UMjSgVFDo
wktk


25:名無しNIPPER[ ]
2015/04/26(日) 20:53:26.97 ID:eM9XkrPr0
 深海棲艦は、時を経るごとに強く、しつこくなっていった。
 軍部で、深海棲艦を調査するという『特別調査隊』が組織されたが、全く動けていないらしい。
 深海棲艦自体の調査も、深海の調査も。

 艦娘は普通の人間よりも生命力が高くされている。そのため多少の怪我であれば、薬効のある風呂で入浴するだけでも、十分回復する。
以下略



26:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 20:54:55.42 ID:eM9XkrPr0
 深海棲艦との戦争の中で一番の重傷を負ったのは、朝潮型駆逐艦娘の『霞』と『満潮』だった。
 1週間ほど昏睡状態が続いた後、さらに一週間が完全な回復に必要だった。
 私が朝潮型の長女である『朝潮』と見舞いに行けば、「作戦のせいよ」「もう死ねばいいのに」「命令だけの人は気楽ね」と、口々に罵倒された。
 黙って頭を下げる私を見て朝潮は二人を止めようとしたが、二人は朝潮にも、同じようなことを言った。

以下略



27:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 20:55:57.53 ID:eM9XkrPr0
  朝潮は真面目だ。そして従順だ。
 私情を挟まず行動するその性格は、良く言えば軍人の鏡。悪く言えば、動く人形とも捉えられた。
 実際、彼女はコスト削減を考え、大破にも関わらず中破とごまかしたこともあった。

 「あの二人には、あとで私から言っておきます。ごめんなさい」
以下略



28:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 20:57:45.74 ID:eM9XkrPr0
***
***

トイレ掃除のためにトイレに入ったら、朝潮型駆逐艦娘1番の『朝潮』が泣いているのを偶然見つけた。

以下略



29:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 20:59:23.70 ID:eM9XkrPr0
 艦娘たちの実技訓練が、海で行われている。安全のためか、艤装と腰にはウキのようなものが巻かれている。
 僕は建物の中から、艦娘たちの様子を見ていた。

 「朝潮型、集合せよ!」

以下略



30:名無しNIPPER[ saga]
2015/04/26(日) 20:59:59.85 ID:eM9XkrPr0
 特別調査隊が深海棲艦の住処を断定した。
 国内、国外の研究機関、軍隊とも連携し、住処の壊滅を目的とするらしい。
 艦娘たちは戦闘よりも、その護衛に回ることが多くなった――



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