過去ログ - わたしのいきる道
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1:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 17:43:43.80 ID:fS572BUV0
Side-A



つまが死んだ
交通事故だった

保育園に娘を迎えに行った先での出来事
その日、雨だった
その日、妻は少し迎えが遅くなっていた
その日、娘はまちわびて門の前にいた
その日、路面は滑りやすかった

電話を受けてからの記憶はほとんどない
ただ、断片的な事だけ
布が被せられた妻、妻の前で動かない娘、
泣きながら謝る男…
ほかに医師やら警察やらがいたような気もするが
どう応対していたのかわからない
雨音だけが耳に残っていた

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2:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 18:02:04.01 ID:fS572BUV0
彼女はとても愛されていたようで、たくさんの弔問・参列をしていただいた
みんなが泣いていて、みんなが悲しみを浮かべていて、
みんなが別れを惜しむ中、
わたしはただただその光景を見ていた

以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 18:15:04.39 ID:fS572BUV0
妻がいなくなって、幾年
最近ようやく素直に泣けるようになったが
彼女がいなくなった事には未だなれていない
娘に気づかれないよう、心配させないよう隠して生活をする

以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 18:28:41.08 ID:fS572BUV0
更に幾年が過ぎる
器量気立てが良かった妻に似てきた娘は、やはり学校でモテるらしい
毎日夕食を一緒に食べるときに、一日の事を話してくれるのだが
聞いているだけで周りからの好意が伝わってくる
だが不思議なことに娘自身、まだそういったものに関心がないのが伝わるのか
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 18:38:01.37 ID:fS572BUV0
妻の墓を訪れる
毎月の様子とは違い、今日は先客がいるのは命日だからだろう
丁度入れ違いだったらしく軽く礼をして、通り過ぎる
不意に後ろを見ると、先客の男は深く礼をしたままだった

以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 18:53:00.62 ID:fS572BUV0
臭い、不潔、近くによらないで
休憩中に同僚たちの話を聞いていると
自分の娘は他の娘さんたちと、同じ生き物ではないのではないかと感じる
同僚曰く男ちゃんとこは、娘じゃなくて男ちゃん自身が俺たちと違うんだとか何とか
別段変わったことはしていないと思うのだが、そう答えると長くなるので、適当に受け流す
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 19:08:10.42 ID:fS572BUV0
会社の忘年会
普段の飲み程度なら断れるのだが、年に限りのあるものには出ないわけにはいかない
前もって娘には言ってあるが、帰宅を寝ずに待っていたりするので遅くはなれない
酒も程々に一次会でお先をしようとすると、酔いつぶれた部下の女の子を押し付けられる
帰らないといけないし、男が女を簡単に送るものではないだろうと抗議するのだが
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/05/20(水) 19:17:11.17 ID:fS572BUV0
どうやらわたしははめられたらしい
上司も同僚も再婚はしないのか?いい子を紹介してやろうか?
等とよく言ってくるが、冗談だと思っていたのだがね

「男さん、わたし…」
以下略



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