過去ログ - 安部菜々、魔法少女になる。〜PROJECT G4〜
1- 20
23: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/05/26(火) 22:30:49.71 ID:6BW4cku00

 ウサミングハートによって、時を止めていられる時間が明白になる。
 時間が止まっているのに17秒というのもおかしな話だが、この場合における17秒は菜々の体感時間だ。
 止められる制限時間に関しては、菜々の年齢そのままだ。もし菜々が永遠の10歳なら、時を止められるのは10秒だったのかと余計な考えまで浮かんでしまう。

 この系の能力でありがちなのが、時間を止めすぎて、その能力発動者が他の皆より遥かに歳を取っていくというもの。
 だが、永遠の17歳……もとい、不老不死になった菜々には関係のない話だ。精神はともかく、肉体は衰えない。

 なんてことを考えていると、そろそろ17秒になりそうだった。
 菜々は、迫りくる使い魔に向けて、炎の魔法を繰り出した。炎自体は、菜々から離れると能力の影響を受けて、空間に固定されたように動かなくなる。

 それをあらゆる方向に向けて撃った。

 そして、菜々の体感時間で17秒。
 止まっていた時間は動き出す。菜々が放った炎は、一斉に使い魔を焼き尽くした。使い魔からすると、突如目の前に炎が現れたように感じるだろう。

 それは千佳から見ても同様だったようで、菜々がたくさんの炎を一度に出したように見えたらしい。

「菜々ちゃんすごーい!」

「これなら行けますね! 『ザ・ウサミンワールド』!」

『ルパッチマジックライブゴー! チョーイイネ!』

 流れるような動きで再び魔法を発動させる。全員が、一時停止をしたように止まった。
 どうやら、特に魔法発動の反動によるタイムラグはないらしい。

 慣れると、ドレスドライバー抜きで魔法を発動させることが出来るらしいことを、ウサミングハートから聞いた。
 今の菜々が普通にオリジナル魔法を使えないのは、全体的にドレスドライバーに頼っているのが原因らしい。

 そのまま、一気に使い魔の間をくぐり抜け、魔女本体へと炎の魔法を発射する。発射する。発射する。
 時間の許す限り、菜々は炎の魔法を繰り出した。
 やがて、魔女の姿が菜々の出した炎で見えなくなった。自分で作り出した光景に、若干引いてしまう菜々。

「……やり過ぎましたかね」

『Don't worry(いいんじゃないでしょうか)』

 何故突然ウサミングハートが英語に戻ったかはさておき、菜々の魔法発動から17秒が経った。
 再び、全員が動き出した。もちろん、止まっていた炎の魔法も例外ではない。

「ゥニャァァアアアアアアアア!!!!」

 全身を覆うような業火が、一瞬で魔女を飲み込む。
 魔女からすると突然目の前に炎が。千佳からすると、菜々が瞬間移動して、一撃で魔女を倒したように感じているはずだ。
 断末魔が消えると同時に、炎が消える。鎮火した跡地には、魔女の姿はなかった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
71Res/166.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice