583:名無しNIPPER[sage saga]
2016/03/27(日) 16:19:48.59 ID:WpbE5Tq40
文月「やよちゃんは……あっ」
文月が卯月の問に答えようとした時、彼女は近づいて来る二つの音に振り返った。
視線の先には弥生を腕に抱いた熊野と、随伴艦のショートカットの髪型にカチューシャを付けた艦娘、名取がこちらに向かって来ている姿があった。
卯月が何故熊野が弥生を抱いているのかと思ううちに、文月がぽつぽつと語り出す。
文月「やよちゃんはね、あたしが熊野さんにみててってお願いしたの。……ほんとはあたしがみてなきゃダメだったんだけどね、その……うーちゃんが、心配、で……」
文月は卯月が敵に突撃を仕掛けた後、棲姫追撃隊の後を追っていた。
卯月を見捨ててしまうのかという葛藤が彼女の中にあったが、弥生も見捨てる訳にはいかないという思い、卯月の弥生を頼むという言葉、そして自分たちの戦力、それらを総合的に考え、彼女は救援を呼ぶと同時に弥生を任せ、自らも卯月の救援に向かうという選択を取った。
運よく追跡隊から派遣された熊野達に合流することが出来たが、追跡、或いは戦闘中の追撃隊に負担を掛ける発想はあまりに稚拙ではあった。
しかし、冷静さを欠いた彼女にはその考えに至るほどの余裕はなかったのだ。
彼女の言葉の歯切れの悪さから、卯月は弥生を半ば押しつけるように来たのだと推測した。
卯月にそれを責めるつもりは全く無かった。むしろそこまでさせて助けに来てくれた事に酷い罪悪感を感じていた。
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