過去ログ - めぐり「比企谷くん、バレンタインデーって知ってる?」八幡「はい?」
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574: ◆//lmDzMOyo[saga]
2015/08/07(金) 23:20:28.39 ID:OFktixYeo
めぐり「実はちょっとね」

あはは、と笑うめぐりさんだが、今度は明確に無理に笑みを浮かべていると分かった。

あのバレンタインデーから一ヶ月近く。同時に、俺とめぐりさんが付き合うようになってからも一ヶ月近く。
以下略



575: ◆//lmDzMOyo[saga]
2015/08/07(金) 23:21:31.35 ID:OFktixYeo
八幡「……あー、まぁ、あれですよ、めぐりさんなら大丈夫だと思いますよ」

言葉に出してから、自分は致命的なまでに言葉でのフォローが下手だということに気が付いた。いや、我ながらなんかもうちょっと気が利いた言葉の選び方はなかったのん……?

しかし、俺の貧弱な語彙力では咄嗟に上手い言い方が思い付かなかったのだ。えるしってるか、いくら本で単語を大量に知ってても別にコミュ力に応用出来るとは限らないんだぜ。ソースは俺。
以下略



576: ◆//lmDzMOyo[saga]
2015/08/07(金) 23:22:17.55 ID:OFktixYeo
結衣「……むぅ」

後ろから誰かが唸るような声をあげていたので、振り返ってみると、なんとも複雑そうな表情をした由比ヶ浜が俺の方を睨みつけていた。

……あー、しまった。人目があることを意識してなかった。しかも由比ヶ浜。少々配慮に欠けていたかもしれない。
以下略



577: ◆//lmDzMOyo[saga]
2015/08/07(金) 23:22:48.95 ID:OFktixYeo
まぁ紆余曲折を経て、奉仕部は前までと同じように集まることが出来た。大体雪ノ下の奮戦のおかげである。あれ以来雪ノ下には頭が下がりっぱなしだ。

ちなみにリアルに雪ノ下に頭を下げた──というか土下座をかました回数は片指の数で収まりきらない。あれっ、もしかして両指を使っても足りない……?

その雪ノ下先生は、由比ヶ浜の様子を見て、こめかみを押さえながら軽くため息をついた。
以下略



578: ◆//lmDzMOyo[saga]
2015/08/07(金) 23:23:48.52 ID:OFktixYeo
いろは『皆様は頼りになる先輩として、私たちに優しく、時に厳しく指導をして──』

かむこともつっかえることもなく堂々と言葉を続けている一色のその姿は、とても一年生とは思えないものであった。

見た感じ一度もカンペに目を落とすこともなく、顔を三年生の方へ向け続けている。ああも立派にやってもらえると、一緒に送辞をうんうん言いながら考えた俺としても(結局送辞まで手伝わされた)考えた甲斐があるというものだ。
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579: ◆//lmDzMOyo[saga]
2015/08/07(金) 23:24:59.56 ID:OFktixYeo
過去はどうあれ、一応俺は一度振った由比ヶ浜、一色との仲は悪くない状況であると思う。しかしその仲を維持出来たのは本当に雪ノ下の尽力によるところが大きい。

どのくらい大きいかって……まぁ、片指で数え切れないくらい土下座をかましたというところから色々察して欲しい。もしも雪ノ下がいなければ、俺はめぐりさんという恋人と引き換えに、別の大切なものを失うところであった。

これから雪ノ下相手に頭が上がることはないんだろうなーと思っていると、一色が締めの挨拶に入っていた。
以下略



580: ◆//lmDzMOyo[saga]
2015/08/07(金) 23:26:45.39 ID:OFktixYeo
八幡「……すごいな、お前」

思わず、そんな感嘆の声が漏れてしまう。

卒業式という緊張感マックスの状況で、大勢の前でかむこともない、つっかえることもない、カンペも見ないで、かつ聞き取れるほどの声で送辞を全て言い切るというのは相当の大仕事だ。それを、一色は一年生ながら完璧なまでにこなしたのだ。
以下略



581: ◆//lmDzMOyo[saga]
2015/08/07(金) 23:28:18.67 ID:OFktixYeo
平塚『続きまして、卒業生代表による答辞に移ります』

しかしそうやってほっとしているのも束の間、平塚先生によるアナウンスが聞こえてきた。卒業式のアナウンスってもうちょっとお偉いさんがやるものだと思うのだが、若手じゃなかったんですか先生。

平塚『それでは卒業生代表の城廻めぐりさん、お願いします』
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582: ◆//lmDzMOyo[saga]
2015/08/07(金) 23:29:47.10 ID:OFktixYeo
結衣「……ヒッキーってさ、本当にめぐり先輩のことが好きだよね」

八幡「は?」

横から唐突に掛けられたその声に反応してそちらを向いてみると、由比ヶ浜が俺の方を見ていた。
以下略



583: ◆//lmDzMOyo[saga]
2015/08/07(金) 23:31:11.32 ID:OFktixYeo
雪乃「……城廻先輩の答辞が始まるわよ、静かに」

そこで助け舟を出してくれたのは雪ノ下だった。おお、今の俺にとってはまさに《救済の天使/Angel of Salvation》だ。今の救いのタイミングの良さといい瞬速とか持ってそう。相手ターンにも唱えられちゃう。すかさずその助け舟に乗っかることにした。

八幡「そ、そうだな。ほらお前ら静粛にな」
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