過去ログ - モバP「不夜城は、眠らない」
1- 20
63: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:38:38.89 ID:MUuaVWOfO
「……ありがと」

やや遠慮があるのだろうか、そそくさと四つ折りされたままの生地を顔に当てるだけで返してきた。

先日の強引な態度とは打って変わったその仕種に、僕は非常にミスマッチさを憶えた。
以下略



64: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:40:22.85 ID:MUuaVWOfO
今夜は円光なんかやめて、大人しく帰った方がいい。

タクシープールの方へ行こう、と促すと、彼女は首を横に振った。

「こんな、水が滴るほど濡れた状態で乗ったら厭な顔される」
以下略



65: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:42:11.67 ID:MUuaVWOfO
「……煩いな」

僕の思考が独り言として漏れていたらしい。

まるで、私を円光わないなら邪魔だから退け、とでも云いた気の、鋭い目つきを僕に向けた。
以下略



66: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:43:39.70 ID:MUuaVWOfO
身体は壊してないだろうか。寝込むことになってしまわないか。

いくら他人とはいえ、少しでも関わりを持った以上は、そう云った思考を振り払うのは難しい。

完全に関わることなくスルーするか、さもなくば徹底的に付き合うかのどちらかにすべきなのだ。
以下略



67: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:44:34.02 ID:MUuaVWOfO
仕方ない……と、会社で何度も吐いたものと似た類いの溜息をひとつ。

「えっ?」

彼女にとって僕の出した答えは意外なものだったのかも知れない。
以下略



68: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:45:21.46 ID:MUuaVWOfO
「ふぅん……ま、好意には有難く甘えさせて貰おうかな」

先日のような腕組みではないが、今日は今日とて女の子と相合い傘である。

喜んで良いのやら悪いのやら。
以下略



69:名無しNIPPER[sage !蒼_res]
2015/06/18(木) 22:49:12.01 ID:MUuaVWOfO

それではまた



70:名無しNIPPER[sage]
2015/06/19(金) 07:44:40.44 ID:bhMDbfRDO
こういう退廃的な話好き


71: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:26:26.61 ID:S9oem3+wO


――

道玄坂を登り、同じルートでホテル街へと進んでゆくと、あっという間に空気が変わる。
以下略



72: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:27:23.24 ID:S9oem3+wO
その光景を目にした途端、先日の帰り際の記憶がどうしても甦ってきてしまった。

結局、僕の渡した四万円はどさくさにまぎれて受け取らず、別のオヤジとホテルへ入っていったこの少女。

なんでわざわざ僕に金を突き返して、あんなハゲデブと寝ることを選んだのだろうか。
以下略



73: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:28:25.68 ID:S9oem3+wO
「それに、眠いしさっさと寝たかったんだよ。家に帰るのは億劫だし」

異性との交わりなんて、睡眠とは対極にあるはずではないのか。

「あんな泥酔したオジさんはね、手コキなんかでいいから、一発抜いちゃえば大抵大人しく寝ちゃうんだよ」
以下略



140Res/56.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice