過去ログ - モバP「不夜城は、眠らない」
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67: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:44:34.02 ID:MUuaVWOfO
仕方ない……と、会社で何度も吐いたものと似た類いの溜息をひとつ。

「えっ?」

彼女にとって僕の出した答えは意外なものだったのかも知れない。
以下略



68: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:45:21.46 ID:MUuaVWOfO
「ふぅん……ま、好意には有難く甘えさせて貰おうかな」

先日のような腕組みではないが、今日は今日とて女の子と相合い傘である。

喜んで良いのやら悪いのやら。
以下略



69:名無しNIPPER[sage !蒼_res]
2015/06/18(木) 22:49:12.01 ID:MUuaVWOfO

それではまた



70:名無しNIPPER[sage]
2015/06/19(金) 07:44:40.44 ID:bhMDbfRDO
こういう退廃的な話好き


71: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:26:26.61 ID:S9oem3+wO


――

道玄坂を登り、同じルートでホテル街へと進んでゆくと、あっという間に空気が変わる。
以下略



72: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:27:23.24 ID:S9oem3+wO
その光景を目にした途端、先日の帰り際の記憶がどうしても甦ってきてしまった。

結局、僕の渡した四万円はどさくさにまぎれて受け取らず、別のオヤジとホテルへ入っていったこの少女。

なんでわざわざ僕に金を突き返して、あんなハゲデブと寝ることを選んだのだろうか。
以下略



73: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:28:25.68 ID:S9oem3+wO
「それに、眠いしさっさと寝たかったんだよ。家に帰るのは億劫だし」

異性との交わりなんて、睡眠とは対極にあるはずではないのか。

「あんな泥酔したオジさんはね、手コキなんかでいいから、一発抜いちゃえば大抵大人しく寝ちゃうんだよ」
以下略



74: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:29:03.49 ID:S9oem3+wO
「私はそれからお風呂に入ってさっと寝て、朝早めに自分だけ抜け出したから、あの日はラクなもんだったな」

今夜はどうなるかわからないけどね? と、僕を試すような言葉をご丁寧にも添えてくれる。

僕のスルー力が問われている。
以下略



75: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:29:45.13 ID:S9oem3+wO
「あれ以来やってない。今日は久しぶりにオジさんと遊ぼうと思ったタイミングでこんな天気、やれやれだよ」

到着し、傘を畳む僕より一足早くエントランスにとん、と入った彼女がこちらを向く。

「心配、してくれたんだ?」
以下略



76: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:30:32.10 ID:S9oem3+wO
それなりに人気のホテルなのだろうか、九割ほどが既に埋まっている。

つまり、凡そ二十組もの人間達が、既に今この瞬間も逢瀬を営んでいる。

この建物の中に、数多くの、濡れる並行世界があるのだ。
以下略



77: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:31:04.18 ID:S9oem3+wO
最安値でもなく最高値でもないグレードを選んで、橙色に灯っているボタンを押す。

ランプが消えた瞬間、僕たち二人は不夜城の一夜限りの住人となった。なってしまった。

受付で鍵を受け取ると、少女はすでにエレベータを呼んで待っていた。
以下略



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