195:名無しNIPPER[saga]
2015/06/26(金) 10:14:23.67 ID:AcBC3WIDO
 「お前の力は全てを壊す。それは私にとって不都合だ」 
  
  
 「……力? その力というのは、一体なんだ」 
  
  
 「"王の力"だ。その力は、お前を孤独にする」 
  
  
 孤独。孤独だと。馬鹿馬鹿しい。笑みが浮かんだ。 
  
  
 「だったら何だ。とっくに孤独だ」 
  
  
 「……お前は」 
  
  
 少女が立ち止まり、こちらに瞳を向けた。哀れむような顔。 
  
  
 「まだ何も見えていないのだな」 
  
  
 「なんだと……」 
  
  
 「まあ、いいさ。お前が力を目覚めさせたいというのなら、止めはしない。だが、それはまた今度だ」 
  
  
 「……出来るのか」 
  
  
 「造作もない」 
  
  
 少女は再び笑みを浮かべた。 
  
  
 「だが、今の状態では危険だ。落ち着いてから、また会いにこい」 
  
  
 「分かった」 
  
  
 「本当に……」 
  
  
 「……?」 
  
  
 「本当に、取り戻したいのか。力を、記憶を」 
  
  
 「当たり前だ」 
  
  
  
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