398:名無しNIPPER[saga]
2015/07/31(金) 18:26:59.27 ID:TYp+eNeDO
カレンはメニュー表を開いて、ライに渡した。
「はい、これ」
「なんだこれは」
「朝ご飯。ここで食べていきなさい」
「いや、僕は……」
なぜ渋るのか分からない。レタスをフォークで突き刺し、それを口に運びながら、カレンは言った。
「あなたが食事しないせいで、私が会長に怒られてるんだからね」
「それは……すまない」
と言いつつも、ライが見ているのはサラダやスープが載ったページだ。やはり、なにも分かっていないと見える。仕方ないので、カレンはテーブルの上の呼び鈴を鳴らした。すぐさま店員が飛んでくる。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
おそらくはバイトなのだろう。若い女性店員はハンディを片手に受注の姿勢に入った。なんだかチラチラとライを見ている。
「はい。シーザーサラダとオニオンスープをお願いします」
存外に滑らかな口調だった。ライは重度のコミュニケーション障害を患っていると思っていただけに、少し驚く。反省の色が見られない注文内容にはもっと驚いた。
「ご注文は以上……でしょうか?」
店員はカレンの方にも伺ってきた。高校生の男子がサラダとスープだけというのも些か不可解なのだろう。ライの方をじろりと睨んでから、
「チーズハンバーグセットを一つ。以上でいいかしら?」
確認の意味も込めて対面の席を見た。
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