941: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/26(木) 22:15:26.63 ID:w5GHjmWDO
「君がこの前、あそこのお店を助けてくれたからね。店主さんからのお礼だよ」
一週間ほど前のことだ。スザクとライがたびたび訪れているあのクレープ屋に、数名のブリタニア人男性が難癖を付けるという出来事があった。
942: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/26(木) 22:18:15.25 ID:w5GHjmWDO
ムキになった男性には格闘技の嗜みがあったようで、激しい抵抗を試みてきた。
どんな武芸でも基本は重心の操作、体幹の維持だ。ライがやっているのはそれらを無理やり乱すことなので、事態は悪い方向に向かってしまった。
943: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/26(木) 22:19:07.74 ID:w5GHjmWDO
しかし腕をスザクに掴まれる。彼の視線を追ってクレープ屋を見ると、店主の日本人男性と目が合った。
頭を下げられる。なんとなく気まずくなって、ライの方も頭を下げた。本当に申し訳なかった。
944: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/26(木) 22:19:48.84 ID:w5GHjmWDO
生徒会のメンバーやナナリーはライの無表情に隠されている内心を良く看破するようになって来ている。表情が豊かになるなどの変化があったわけではなく、単純に周囲の人の観察眼が優れているだけだ。
「君も知っていると思うけど、ああいう事は日常茶飯事なんだ。……本当に、毎日のようにある」
945: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/26(木) 22:21:04.89 ID:w5GHjmWDO
スザクが優しいだけ、というわけではないのだろう。日本人の現状を見て許容できているのなら、それは器が大きいのではない。器に穴が空いているだけだ。
彼からはなによりも強い、悔恨や贖罪を背負っている印象を受ける。日本政府最後の為政者がスザクと同じ性だったが、もしかしたらそれと関係しているのかもしれない。
946: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/26(木) 22:22:02.21 ID:w5GHjmWDO
しかし、そんなことではへこたれない。酷い事ならルルーシュやカレンに言われ慣れている。最近はそこにシャーリーやナナリーも加わりそうだが、そのことについては考えないようにしていた。
「だが、軍服を着ればトラブルも鎮圧できるだろう」
947: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/26(木) 22:25:10.15 ID:w5GHjmWDO
<ナイトオブラウンズ>になることは難しい。数え切れないほどの騎士達から選ばれる超越者。いくら強いといっても、未だにテストパイロット、しかも名誉ブリタニア人であるスザクが皇帝の目にとまる可能性は極めて低い。
「そこまで辿り着くのには、何かを犠牲にする必要も出てくる」
948:名無しNIPPER[saga]
2015/11/26(木) 22:26:42.57 ID:w5GHjmWDO
今回はこの辺で。ここまで読んで頂いた方、ありがとうございました。
949:名無しNIPPER[sage]
2015/11/26(木) 22:40:02.73 ID:GcnyACTxo
乙
950:名無しNIPPER[sage]
2015/11/26(木) 22:42:45.10 ID:MHRWqsV8o
乙です
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