24: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/14(日) 09:06:20.22 ID:wXx8W5xM0
『ない……残念ながら、ブレーサーを作ったエンジニアは、チヒロ=サンに脅されてぷちデレラに変化してしまった
アイドルを元に戻す条件を自分で新たに作り出さないよう自殺してしまっていた。私が見ているのは、彼が残した日記だ』
ブッダ!先ほどまでのモバPの言葉は、全て直接本人から聞いたものではなかったのだ!「なんですって……?
25: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/14(日) 09:07:44.57 ID:wXx8W5xM0
もはや完全に狂ってしまった集団に、解決方法は期待出来ない。システムを作った存在が頼れないとはなんたる不便さか。
さらにハッキングも出来ないとあって、チヒロは彼女にしては珍しく巌しい表情を浮かべ、アヤメのほうへと向き直る。
「困りましたね……こうなってはアヤメ=サン、お願いできますか?」「元よりそのつもりです」いつの間にかニンジャ装束に
26: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/14(日) 09:09:15.19 ID:wXx8W5xM0
「アヤメ=サンは話が早くて助かります。勿論私達のほうでも最善は尽くしますが」『当然だ。元はといえばチヒロ=サン、
オヌシがエンジニアチームを追い詰めたのが原因のようだからな』残された日記にショドーされている凄まじい量の恨み言。
それをあえてIRC通信で伝えることはしなかったが、刺をある言い方でチヒロを非難するモバP。しかし言われた本人はあえて
27: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/14(日) 09:10:14.22 ID:wXx8W5xM0
この方法をとったエンジニアも最後まで悩んでいたことを日記から見て取ったモバPは、それ以上この件には触れず、話を
逸らすようにアヤメが装着したブレーサー装置の仕様を伝えていく。
『それとアヤメ=サン、装着したそのブレーサーはオヌシの心拍数、脈拍、体温、歩数を測り現在の状態が全力疾走か
28: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/14(日) 09:13:29.20 ID:wXx8W5xM0
「この日本で直進しか許さないのですか……? 必ずどこかで障害物が現れちゃいますよ?」「そうなったら壊して
突き進むか、飛び越えるしかなさそうですね」驚くチヒロを他所に、走るアヤメ本人はさして問題にしていない様子で呟く。
「壊すのはマズイですから、出来るだけ飛び越えないといけませんね……これ、作った人は相当チヒロ=サンを
29: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/14(日) 09:15:22.53 ID:wXx8W5xM0
スシとはニンジャにとっての完璧な栄養補給源であり、持久戦となることが確実な以上、走りながら体力を
回復するには絶対に必要となるものであった。「ともかく、あと残り7時間40分以内に全力疾走7時間を完了
しなければいけないのですよね?」
30: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/14(日) 09:16:33.68 ID:wXx8W5xM0
「ほ、ほらアタシ今小さいからアヤメ=サンのカバンに入れるし、一応UNIX端末もIRC端末も操作出来るから、
一緒にいたほうが色々便利だと思う! それに一人で走るより話し相手いたほうが気が紛れるし……だから……」
このような身体で待つだけなのは嫌だというぷちヒトミの心配する思いが痛いほど分かり、アヤメとモバPは黙ってしまう。
31: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/14(日) 09:19:04.47 ID:wXx8W5xM0
「ヒトミ=サンが元に戻るには、アヤメ=サンが7時間走り切るだけでなく、その後で小型UNIX端末に表示される
レッスン完了ボタンを押さなくてはいけません。仮に、走りきったあとのアヤメ=サンがそんな行動も出来ないくらい
疲労していたらどうします」
32: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/14(日) 09:19:58.37 ID:wXx8W5xM0
『……分かった、今日から三日間アヤメ=サンとヒトミ=サンは休暇扱いにする。だから二人共一緒にいけ。そして、
必ずこの忌々しい仕掛けを突破してこい!』「……! ハイヨロコンデー! いいよね、アヤメ=サン!」
「まったく、ヒトミ=サンには敵いませんね」
33: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/14(日) 09:21:31.18 ID:wXx8W5xM0
「…………スゴイ……」シンデレラ・プロダクションを飛び出し、一気に最高速度へと達したアヤメの背負うカバンから顔を
出していたぷちヒトミ。その彼女が外へ出てから最初に発した一言は感動を表す言葉であった。
チヒロが予想したとおり障害物となる建物や木、車や人が現れる度にアヤメが行う凄まじいルート構築。直進のみが
34: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/14(日) 09:22:54.83 ID:wXx8W5xM0
まるで風になったかのような感覚がぷちヒトミにとってはなによりも感動することであり、不謹慎だとは思いつつも、
アヤメがいつも見ているニンジャの見る景色を体験出来たことだけでも、この身体になってよかったと感じるのであった。
「……いつも、アヤメ=サンってこんな景色を見てるんだね……スゴイ……」「なんの変哲もない、普通の景色ですよ。
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