30: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/15(月) 23:23:02.39 ID:7IXBXgnJ0
なん…だと…。どうやら完全に読まれているようだ。やはりこいつは俺と言う人間をよく分かっている。
こういう時どうすればいいんだろうか?シカトすればいいと思うよ!
「せんぱーい。無視ですかー?泣いちゃいますよー?」
背骨のあたりを指でつんつんと突いてくる。指が当たった箇所が妙にこそばゆい。
こういう時に構うと余計に面倒な事になると経験上わかっているので、特にこちらからは声を掛けず、されるがままにしておく。
「むぅー……えいっ♪」
「へあっっ!!」
こ、こいつ……。わずかな逡巡の後に俺の体の左右、空いてる脇の下の部分にするりと手を伸ばすと、そのまま腰の部分
にぎゅっと抱きついてきた。体が重ねられた背中が、腰に回された手が、彼女の体温を服越しではあるがしっかりと伝えてくる。
ヤバい何がヤバいって超恥ずかしいし、心臓ドッキドキでヤバい。とにかくヤバいくらいヤバい。(この間0.5秒)
村上くん的思考に陥ってると、くすくすと笑い声が背中から漏れ聞こえてきた。
「へあっっ!!ってなんですかーウルトラマンですか。キョドり過ぎてちょっとキモいですよ先輩」
もぞもぞと一色の頭が背中に擦りつけられているのがわかり、思わず身を固くしてしまった。
「うるせー……。てか本当に危ないから離れてくれ」
「えー……はーい」
不承不承といった声をあげつつ、重なっていた体が離れていく。
離れると同時に新たに体が引っ張られる感覚があった。
そちらをついと見やるとコートの裾の部分をきゅっと小さな手が掴んでいるのが見える。
―――ま、これくらいならな。
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