60: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/16(火) 22:26:00.29 ID:9WL6O8ki0
一色を見送り、2-Fの下駄箱へ向かった。
外履きを脱ぎ、内履きに履き替えて教室までの道を行く。
ふと左手に持ったままの一色からの贈り物に目を落とすと、何か四角いカードのようなものが入っているのが見えた。
61: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/16(火) 22:28:40.11 ID:9WL6O8ki0
女の子らしい丸文字で、短いメッセージが書かれているのがすぐに目に入る。
左から右に目をめぐらし、内容が頭で理解されると、瞬間顔が熱くなる。
「反則だろ……」
62:名無しNIPPER[sage]
2015/06/16(火) 22:34:36.50 ID:wZ5cjMA9o
この
―――――
―――
――
63:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/16(火) 22:36:03.64 ID:Z67ZWfpPo
何言ってんの
すげぇ文章上手い、感心するわ
超乙です
64: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/16(火) 23:18:04.96 ID:9WL6O8ki0
バレンタイン当日の教室は昨日以上に落ち着かない空気、というかピリピリした殺気までもが
漂いまくっており、常に冷静沈着でクールなニヒルを気取る俺もさすがに限界である。
おかげで休み時間の度に外に出ては自販機まで行って無駄に往復してきたり、行きたくもないトイレに行って時間をつぶしたりもした。
午後を迎えた今となっては暇つぶしの限界を超え、もはや机に突っ伏すしかない。
65: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/16(火) 23:19:31.44 ID:9WL6O8ki0
「戸部ぇ、あんたうるさい」
「あ、優美子マジごーめんって! 怒らしちった? 反省しまくりんぐだわ〜」
「黙れ」
66: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/16(火) 23:24:27.41 ID:9WL6O8ki0
三浦の無言のプレッシャーに押し出されるように2人組は教室を出ていくと、戸部が葉山の持つ、受け取ったばかりのチョコをまじまじと見つめながら再度茶化し始める。
「かー、隼人くんまーた貰っちゃってるじゃん。去年より多いんとちゃう?」
反省していない様子の戸部に三浦がキッと睨みつける。
67: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/16(火) 23:26:50.06 ID:9WL6O8ki0
「ぐ腐腐……隼人君の意味ありげな視線がヒキタニ君に……。俺が本当に欲しいのは女の子のチョコじゃなくて
お前のチン……ぶはっ!!」
「海老名マジで擬態しろし」
68: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/16(火) 23:55:06.28 ID:9WL6O8ki0
時は放課後。
部活に行くものもいれば、友達と連れ立って帰るものもいるし、教室でたむろしておしゃべりに興じるグループもいる。
その括りで言えば、俺は部活に行くグループに属していることになる。
こんな俺だってグループには属しているのだ。
69: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/17(水) 00:01:14.69 ID:bJtf1eDj0
早く来すぎてしまっただろうか?
確かに平素よりはやや速いペースで来たが、今まで部室が開いていなかったことはなかった。
そのまま体の向きを変え、部室前の扉にとんと背を付けて雪ノ下の到着を待った。
70: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/17(水) 00:05:36.92 ID:bJtf1eDj0
失礼します、と決まりきった挨拶をしつつ職員室の扉を静かに開ける。
目的の人物はすぐに見つかった。
自席で煙草を左手で持ち、煙を燻らせている。
ふーっと吐き出すと、少し疲れ気味な表情を浮かべた。
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