過去ログ - 八幡「贈り物には想いを込めて」
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72: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/17(水) 00:16:42.64 ID:bJtf1eDj0
「はは、そういうものではないよ。ただ少し熱があるだけだから安心したまえ。最近寒かったから、その影響かもしれん」

確かに昨日はもの凄く寒い1日だった。それで風邪を引いてしまったと、なるほどそういうことか。

雪ノ下細いもんなー、主にどこがとは言わないけど。
体脂肪少ないアスリートとかは風邪ひきやすいっていうもんな。
体の一部に立派な体脂肪を蓄えてるこいつは元気そうだし、と由比ヶ浜を見やる。

「どしたのヒッキー?」

「いんや何でも。それで、先生。保護者に連絡とかは行ってるんですか?」

ふと気になって尋ねてみた。あいつは一人暮らしだし、帰りの交通手段のこともある。保健室で寝込むくらいなら尚更だ。

「それ何だが……こちらが電話しようとするのを頑なに拒んでな。自分で電話はするからいいです、と聞かないんだ」

「ああ、そういう……」

さてどうしたものか、と困ったような呟きが聞こえた。

何となくその光景は想像できた。雪ノ下が安易に家族に頼るとは思えない。
本来家族にこそ弱みを見せても良いのだと思うが、彼女は逆だ。

弱みを見せないことに必死になっている。隙を見せればやられるとでもいうような、まるで狩られてしまわないような必死さだ。
彼女にとっての外敵から身を守るバリケードが、あの一人暮らしのマンションのようにも思えてくる。

そして自分で電話するというのも恐らく嘘だ。体調がある程度回復し次第、一人で帰ろうという算段だろう。



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