過去ログ - 真姫「にこちゃんと夜空に架かる虹を見るわ」
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38:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:33:07.52 ID:Uv2wZz1J0
にこちゃんと私はお互いの手を握り合い、突然目の前に現れた、夜空に架かる虹を見つめていた。

愛する想いの強さを、負けない勇気を歌っているのは、かつてのμ'sの幻ではない。

穂乃果、絵里、ことり、海未、凛、希、花陽が、本物のμ'sのみんなが、確かに今、私たちの目の前にいる。
以下略



39:名無しNIPPER[sage]
2015/06/17(水) 21:35:40.65 ID:JFz/YAKEo
支援


40:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:37:19.54 ID:Uv2wZz1J0
しばらく茫然と聞き入っていた私たちだったが、誰かが──多分花陽だ──Bメロへ入るフレーズを思いっきり間違えて、声の調和が崩れる。

続いて、
「あっ、私も間違っちゃった!」
などという素っ頓狂な声まで歌に混じって聞こえてきた。
以下略



41:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:39:03.46 ID:Uv2wZz1J0
サビに入った瞬間、みんなの歌声が途切れる。それは全員が入りのタイミングを間違ったせいではなかった。



「ぁいすきぁー、ばんざぁー……」
以下略



42:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:41:49.91 ID:Uv2wZz1J0
「真姫ちゃん!真姫ちゃんも歌ってよ!」

喜びとも驚きともつかない、巨大な何かに一撃されたような感情の空白状態に陥っていた私に、穂乃果が呼びかけてきた。
全く、いつだって唐突なんだから。

以下略



43:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:44:39.50 ID:Uv2wZz1J0
私の歌も、みんなと似たり寄ったりのひどいものだった。
思えばこの数年、歌うどころか大きな声を出した記憶すらほとんどない。
声量が落ちているし、なまった声帯は思った通りの音程を響かせるだけでも一苦労だ。

それでも──おぼつかなかった私の歌は次第ににこちゃんに追いつき、最初はぶつかり合っていた二人の声は、いつしか一つに融け合ったハーモニーを奏でていた。
以下略



44:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:47:05.85 ID:Uv2wZz1J0
◇◇◇

「絵里ちゃんから連絡が来て、にこちゃんが見たがってるのってなんだろ?って思った時、これしかないと思ったんだ♪」

興奮の時間が過ぎ、お互いの再会を確かめ合った後、詰問した私に笑顔で説明する穂乃果。
以下略



45:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:49:46.08 ID:Uv2wZz1J0
赤とピンクの光に照らされたステージの上で、私とにこちゃんは手を取り合い、お互いの瞳を覗き込む。

叩いてしまったこと、もっと早くに穂乃果たちに相談しなかったこと……後悔も謝罪の言葉も溢れるほどに沢山ある。
もっとも、それを言うなら彼女の方だって私に言うべきことが倍以上にあるだろうけれど。

以下略



46:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:54:32.64 ID:Uv2wZz1J0
◇◇◇

大学病院の病棟のカンファレンスルーム。

プレゼンテーションを行う私に、医局員たちのいくつもの冷たい視線が突き刺さる。
以下略



47:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:55:40.38 ID:Uv2wZz1J0
「……以上を総合して判断すると、このケースでは直接血行再建術による脳機能の回復が期待できると推測されます」

そう締めくくると、居並ぶ医局員から次々に批判と非難が続出した。

発症から数年が経ってからの機能回復は前例がない。
以下略



48:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:56:57.21 ID:Uv2wZz1J0
この機会ににこちゃんの未来の全てがかかっているのだ。
これ以上時期を逸すれば、手術による回復効果は低くなり、合併症の危険は高くなっていくだろう。
絶対に負けるわけにはいかなかった。

「責任は全部私が取ります……彼女にとっては唯一のチャンスなんです、やらせてください!」
以下略



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