過去ログ - 万里花を愛でるニセコイSS「ハナヨメ」
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名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:30:12.41 ID:EUGrH/Tp0
「楽様、本当にありがとうございます」
バージンロードの中頃にタキシード姿で立っていた楽の元にたどり着き、万里花は心からの感謝を込めて言った。
髪のセットと化粧直し、そしてドレスへの着替えをしている間に、万里花は事の経緯を聞かされていた。
以下略
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:
名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:31:50.25 ID:EUGrH/Tp0
「あー、でな、結局パンフレットの写真撮影じゃなくなっちまったけどさ……」
これから言おうとしていることがとても「くさい」ことだという自覚があるだけに、踏ん切りがつかずに言葉に詰まってしまう。
だけど、照れてばかりもいられない。
以下略
21
:
名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:32:37.94 ID:EUGrH/Tp0
招待客のいないバージンロードを二人で進む。
一歩毎に胸が高鳴り、これでは自分の鼓動が相手に聞こえてしまうのではないかと心配になってくる。
「こ、これでいいのか?」
「はい、新郎は花嫁をエスコートするように、腕を組んで祭壇まで歩いて行くのですわ」
以下略
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:
名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:33:52.38 ID:EUGrH/Tp0
祭壇の前にたどり着くと、牧師のセリフを万里花が請け負うなんとも奇妙な結婚式が始まった。
万里花の美声をたどたどしく楽が追うようにして賛美歌を歌い、万里花がすっかり覚えているという聖書の中の愛の教えを暗唱する。
突然妙な外国人訛りを交える万里花に楽が突っ込んだり、うっかりドレスの裾を踏んでしまった楽を万里花が叱ったり。
二人きりなのに、いつも以上の賑やかさで式が進んでいく。
以下略
23
:
名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:34:47.13 ID:EUGrH/Tp0
照れたように一度俯いた後、万里花は顔を上げて、決心をしたように続ける。
「……その健やかなるときも、病めるときも……富めるときも貧しきときも」
以下略
24
:
名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:36:05.80 ID:EUGrH/Tp0
「誓いの言葉の後は、結婚証書に署名をしたり指輪の交換をするのですが……今はどちらもありませんし、飛ばしてしまいましょうか」
「おっと待った。指輪ならあるぜ」
「えっ?」
以下略
25
:
名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:36:59.43 ID:EUGrH/Tp0
絡めた腕をするりとほどいて、万里花は身体を離すと、楽の顔を見上げながら言う。
「この結婚式も、もうすぐ終わりですわ」
「そ、そうなのか?」
「はい、あと残っているのは……」
以下略
26
:
名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:39:14.66 ID:EUGrH/Tp0
この気持ちになんという名前をつければいいのかはわからない。
だけど、楽は万里花を笑顔にしたいと、幸せにしたいと思っている自分に気付いていた。
だから。少し早いかもしれないけれど。
以下略
27
:
名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:40:27.18 ID:EUGrH/Tp0
「叶わない夢だと、どこがでそう、思っていました。でも……こうして楽様と二人、フリとはいえこんなに素敵な結婚式をして、それに楽様から……その、き、キスまで……」
照れる自分を励ますように、でもですね、と語気を強めて。
以下略
28
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名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:41:39.26 ID:EUGrH/Tp0
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「お、おはよう、千棘」
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:
名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:42:20.16 ID:EUGrH/Tp0
「あっ、私がお送りした結婚指輪、ちゃんと身に着けてくださってますね、楽様」
「ちょ……!」
楽の左手の輝きを認めて、万里花が嬉しそうに頬を染めた。
以下略
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