過去ログ - 奉太郎「高く高く、空に昇れば」
1- 20
56:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:57:53.31 ID:BVZ5thB50
「私はあんたのこと正直どうでもいいけど。 でも三年間近くも一緒にいるんだから嫌でも気付くわよ。
部活にきたらちーちゃんに目が行ってるの、知ってるんだからね」

「そうか」

以下略



57:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:58:45.36 ID:BVZ5thB50
「あ、そうだ折木」

覗き込むように、ひょっこりと顔だけをこちらへ見せ、

「なんかあったら言いなさいよ。その、あたしにできる範囲なら手伝うから」
以下略



58:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:00:01.15 ID:BVZ5thB50
三年にあがり、古典部は変わったんだとデータベースは評していた。

その中でもっとも変わったのはあの二人の関係性だと思う。

カラオケでのたまたま垣間見えたのだ。会計の時にだした里志の財布に避妊具が入っていたことを。 
以下略



59:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:01:22.31 ID:BVZ5thB50
翌日。午前の授業を上の空でこなし昼休み。

大混雑する生徒に混じってなんとか弁当を手に入れると、飲み物でも買おうかと自販機へ向かった。

そこでも列ができあがっていて、俺は軽く足を踏み鳴らす。
以下略



60:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:02:51.50 ID:BVZ5thB50
ジュースを買い終えた二人は列から離脱し、中庭の方向へと歩き出す。

真相を知りたい俺は彼らの後を辿って行った。やめろ、と脳裏から声がする。

それでもつけていったのは心のどこかで杞憂で終わることを期待していたからかもしれない。
以下略



61:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:03:51.47 ID:BVZ5thB50
その一つに二人隣り合っては座った。向こうに気付かれないよう

携帯を確認するフリをして横目で彼らを垣間見る。
 
時折、肌寒い風が吹きすさぶこの天気を恨めしく思った。
以下略



62:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:05:07.54 ID:BVZ5thB50
千反田は膝の上のバッグから箱を取り出した。青のハンカチで包まれた箱。

それを隣にすわる男に照れくさそうに渡した。中身は弁当だろう。
 
「先輩?」
以下略



63:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:06:00.42 ID:BVZ5thB50
「おまえは? 誰かと食う約束でもしてるのか?」
 
「彼氏です」

えへへ、と笑う。だめだ。言葉が出てこない。ここはなんていえばいいんだ。
以下略



64:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:07:15.79 ID:BVZ5thB50
「お昼のお誘いですか? いいですよ。部室にレッツゴーです」

頷き、連れ立って歩き出す。

いずるがペラペラと何かを話すが、それは耳から通り抜けて行った。
以下略



65:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:20:45.15 ID:BVZ5thB50
あの突然のお別れ会。それにも合点が言った。

おそらく提案する以前に交際が始まったのだろう。

思えばあのカラオケボックスでの集まり以降、千反田はあまり部室には来なくなった。
以下略



77Res/34.14 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice