61:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:03:51.47 ID:BVZ5thB50
その一つに二人隣り合っては座った。向こうに気付かれないよう
携帯を確認するフリをして横目で彼らを垣間見る。
時折、肌寒い風が吹きすさぶこの天気を恨めしく思った。
62:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:05:07.54 ID:BVZ5thB50
千反田は膝の上のバッグから箱を取り出した。青のハンカチで包まれた箱。
それを隣にすわる男に照れくさそうに渡した。中身は弁当だろう。
「先輩?」
63:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:06:00.42 ID:BVZ5thB50
「おまえは? 誰かと食う約束でもしてるのか?」
「彼氏です」
えへへ、と笑う。だめだ。言葉が出てこない。ここはなんていえばいいんだ。
64:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:07:15.79 ID:BVZ5thB50
「お昼のお誘いですか? いいですよ。部室にレッツゴーです」
頷き、連れ立って歩き出す。
いずるがペラペラと何かを話すが、それは耳から通り抜けて行った。
65:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:20:45.15 ID:BVZ5thB50
あの突然のお別れ会。それにも合点が言った。
おそらく提案する以前に交際が始まったのだろう。
思えばあのカラオケボックスでの集まり以降、千反田はあまり部室には来なくなった。
66:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:22:50.66 ID:BVZ5thB50
太陽の光は微弱だが空自体は澄んだ青空だった。
その空に昇りたいと、そう思った。
高く高く空に昇れば、俺にはすべてが見えるはず。目はどこまでも届くはず。
67:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:24:07.01 ID:BVZ5thB50
おわり
68:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 13:11:35.73 ID:BQ4Y53r3o
おふぅ……
やっぱ氷菓SSは名作が多いな
69:名無しNIPPER[sage]
2015/06/29(月) 13:54:50.32 ID:XoBqDj0D0
おつ 大日向ではないのな
70:名無しNIPPER[sage]
2015/06/29(月) 14:11:51.09 ID:hW/qp+dN0
なぜ氷菓ssはこの展開が多いのか
面白かったからいいけど
71:名無しNIPPER[sage]
2015/06/29(月) 16:45:37.01 ID:5JxhxYdWO
はい
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