過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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161:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:29:56.77 ID:KP3+ivsDo
「歩くなよ、走れ走れ。ランニングコストな。まあ走るって意味でもねぇけど」

「んん?じゃあパパがYシャツの中に着てるやつ?ほらヒッキー、冷やすから手貸して」

「ん、あ?おお?」
以下略



162:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:33:45.88 ID:KP3+ivsDo
「え、ええ。別に構わないわよ」

ここまで話して一色さんだけ除け者というのも可哀想だ。彼女からそう言っているのに、断るわけにもいかないだろう。

「よかったー、ありがとうございます。じゃあ部活終わったらまた生徒会室来ますねー。あ、紅茶ご馳走さまでした」
以下略



163:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:35:15.51 ID:KP3+ivsDo
比企谷君の手を見ると、火傷をした指に由比ヶ浜さんのハンカチが巻かれていた。

女物のハンカチというのが不釣り合いではあるが、遠目に見れば包帯に見えなくもない。

「えー、そんな発明みたいに言われてもな。これいつ返せばいいんだ」
以下略



164:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:39:39.33 ID:KP3+ivsDo
なぜなら、彼と私は理解し合えているから。



一色さんの依頼はきっかけになると思った。
以下略



165:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:40:58.62 ID:KP3+ivsDo
てっきり生徒会長をやるものと思ったけど、結局人に押し付けるんだ。あなたはなにもやらなくていい、人が全てやってくれるもんね。

その言葉が挑発の類いのものであることは明白で、そのまま乗るのは癪ではあったが、それからもう一度よく考えることにした。

私が欲しいもの。目指すもの。姉が持っていないもの。彼も持っていないもの。
以下略



166:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:42:29.96 ID:KP3+ivsDo
私はこういった理由で生徒会長をやりたいのだとは言わず、やっても構わないと彼らに言った。

これで二人には伝わるはずだ。全てを言わなくても私たちは理解し合えるはずだ。

だが、比企谷君と由比ヶ浜さんは反対の意向を見せた。由比ヶ浜さんは奉仕部がなくなるのではないかと、そういった危惧をしているようだった。
以下略



167:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:44:06.02 ID:KP3+ivsDo
翌日、彼の口から告げられた提案に、私は安堵と驚嘆と愉悦がない交ぜになったような、言葉にし難い感情を覚えた。

そんな考えは私の頭になかった。だが、彼は私の考えを理解してくれたのだと思った。

彼は私が自分の意思で生徒会長になろうとしていたことをわかってくれた。
以下略



168:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:46:07.85 ID:KP3+ivsDo
そうして今に至るわけだがその渦中、私がまったく予想していなかった行動に出た人間が他にも二人いた。

葉山君と一色さんだ。二人とも生徒会に入るとは思いもしなかった。

一色さんについては空きとなっていた書記に城廻先輩が引き入れたらしいので、それは気にしていない。
以下略



169:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:47:13.25 ID:KP3+ivsDo
「…………そう、なのか」

「ええ。今やっている奉仕部の活動が生徒会と兼任になるというところかしら」

「誰からの提案なんだ?」
以下略



170:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:50:05.37 ID:KP3+ivsDo
やりにくいというのはなくはないが、私はどうせほとんど誰でもやりにくいと感じそうだしそこは問題ない。

加えて実務能力の高さは言うまでもないが、やはり運動部の部長ということだけが唯一の懸念だった。

けれど副会長となれば生徒会長ほどの責任はないし、生徒会長である私さえしっかりすれば彼の負担は減らすことができる。
以下略



171:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 17:51:08.65 ID:KP3+ivsDo
彼は自らの在り様をはっきりと決めているし、私も深く関わる気はもうない。ただ家の付き合いがあるから、関係が切れるということもないが。

なんにせよ、彼の口から真実を語るまで正しいと思える答えなど出ない。そして彼が私に真意を言うこともないだろうから、私にはきっとわからないままだろう。

ならば考えるだけ無駄だ。彼のことは一人の生徒会役員として、これまで通り特別なことは何もなく、自然に振る舞えば問題ない。
以下略



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