過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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31:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:27:50.47 ID:KG8R2sxio
雪ノ下は俺たちの言っている意味を理解すると、顎に手をあててなにかを思案し始めた。数秒の間考え、ゆっくりと口を開く。

「……どっちから言い出したことなの?」

「ヒッキーだよ。あたしは生徒会長に立候補しようとしてたから……」
以下略



32:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:29:11.14 ID:KG8R2sxio
けど、あどげない少女のような微笑をたたえる雪ノ下の姿を見たのは始めてだった。

思わず見とれてしまっていたが、由比ヶ浜が視線を向けたことに気がついたので一瞬で我に返り、慌てて言葉を繋ぐ。

「そ、そうか。最後にもう一度、繰り返しになるが確認させてくれ。お前は生徒会長になっても、それが負担になることはないんだな?」
以下略



33:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:30:25.70 ID:KG8R2sxio
俺は俺の直感とか、そういうものをもう少し信じてやってもいいのかもしれない。

「ならいい。今度はまちがってないってことでいいのか」

「そうね……。こういうのも、ありなんじゃないかしら……」
以下略



34:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:32:07.36 ID:KG8R2sxio
俺は結局、この二人を信頼していないことに他ならないのかもしれない。

「比企谷君…………」

名前を呼ばれて顔を上げる。気がつくと雪ノ下が頬を染めながら、すがるような瞳でこちらを見つめていた。
以下略



35:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:33:57.48 ID:KG8R2sxio
「由比ヶ浜さん?」

由比ヶ浜がぽしょっと呟いた。雪ノ下ははっきり聞こえなかったようだが、俺にはわかった。昨日の会話でも似たようなことがあったから。

「ううん。なんでもない。ゆきのん、あたし選挙勝たないといけないから、助けてよ!」
以下略



36:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:34:48.81 ID:KG8R2sxio
これ以上ここにいて、また妙な雰囲気になっても困るのでしばらく時間を空けようという思いがあった。

扉まで歩いたところで雪ノ下の声が背後から聞こえた。

「そうね。私は平塚先生に奉仕部の活動の場が生徒会に移っても構わないか話してくるわ。おそらくそれに関して問題はないと思うのだけれど……」
以下略



37:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:35:47.34 ID:KG8R2sxio
「……うん、わかったー」

由比ヶ浜の返事に少しだけ間があったことが気になったが、今はここから早く離れたかった。なんか恥ずかしいんですよ!

「じゃあまた後でな」
以下略



38:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:37:47.24 ID:KG8R2sxio
ただの学校の一室ではあるが、三人でいろいろな時間を過ごし、記憶を共有してきた場所だ。

俺の中では間違いなく、高校生活で一番思い入れのある場所だろう。

他の場所には思い出がないわけではない。たぶん。……いや、あるよね?
以下略



39:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:38:57.57 ID:KG8R2sxio
落ち着かない気持ちで一年の教室を見て回る。放課後なので人はまばらなのが救いだ。

そもそもあいつクラスどこなんだよ、聞いときゃよかった。

たまに一年生から向けられる訝しげな視線にそわそわしていると、何個目かの教室で男子二人を相手に談笑する一色の姿を見つけることができた。
以下略



40:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:39:55.70 ID:KG8R2sxio
「葉山せ…………なんだ、先輩ですか」

俺を見つけるなり表情も声もがらっと変わる。ほんとこいつは……。

「悪かったな俺で。露骨に声のトーン変えやがって……。話があるからちょっと時間くれ」
以下略



41:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:41:15.40 ID:KG8R2sxio
「なんですかそれ……。そんなこと言われたの初めてです……」

意外にも一色はしょげてしまった。それが作った可愛さであることはこいつ自身もわかってるだろうに。

…………でも、言い過ぎたかな。そんなしょげられると……困るじゃないか。俺にそんな趣味はねぇし、まだあざといほうが気が楽だ。
以下略



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