過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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41:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:41:15.40 ID:KG8R2sxio
「なんですかそれ……。そんなこと言われたの初めてです……」
意外にも一色はしょげてしまった。それが作った可愛さであることはこいつ自身もわかってるだろうに。
…………でも、言い過ぎたかな。そんなしょげられると……困るじゃないか。俺にそんな趣味はねぇし、まだあざといほうが気が楽だ。
42:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:42:15.39 ID:KG8R2sxio
よせよそんな照れた顔すんなよ。言った俺がもっと恥ずかしいだろ。
無理矢理話をぶったぎって本題に入ることにした。
「……で、話なんだが。お前の依頼は解決できそうだ。生徒会長にならなくて済むぞ」
43:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:43:34.22 ID:KG8R2sxio
修学旅行の一件からおかしくなった部活の雰囲気を変えられる、その結論に辿り着けたのはこの依頼があったからと言えなくもない。
依頼自体がなければ別の選択は当然あっただろう。
だが変えるために何をするにしても、別のきっかけが必要になったに違いない。
44:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:44:58.72 ID:KG8R2sxio
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ、先輩」
詳しい話をするつもりもないので適当に話を切って去ろうと振り向くと、ブレザーの袖口を掴まれた。
その際に一色の手が俺の手にも触れあ、女の子特有の冷たくて柔らかい感触が伝わる。
45:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:46:30.27 ID:KG8R2sxio
この組み合わせに勝つにはそれこそ、交遊関係も広そうな由比ヶ浜ぐらいしか思い付かない。由比ヶ浜ってファン多いらしいし……。
そんなことを考えていると、得体の知れない不快感が頭をもたげてきたので思考を中断することにした。
「それはまぁ、確かにそうなんですけどねー……。でも雪ノ下先輩と葉山先輩ってクラス違いますよね?なんで応援頼めるんですかね?」
46:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:47:38.49 ID:KG8R2sxio
「……雪ノ下先輩と葉山先輩って、その……。幼なじみ以上とか、そんなことってあるんでしょうか」
「知らねぇよ。俺はそうは思えないけど」
実際にあの避けようは、そんなことがあるようには思えない。葉山は誰に対してもそう変わらないので知らないが、雪ノ下の態度は忌避しているという類いのものにすら見える。
47:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:48:38.69 ID:KG8R2sxio
「好きにしたら?あ、あともうひとつ。雪ノ下が生徒会長になった時点でお前が相談に来たあの部活、たぶんなくなるから」
「え、ちょっと。それってどういう……わたしのせい、ですか?」
「お前のせいじゃないから気にすんな、ほんと。まだ確定じゃないけどな。実際のとこなくなるつーか生徒会に場所を移すだけだ」
48:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:49:33.31 ID:KG8R2sxio
同じようなことを言うのはこれで三度目だ。さすがの俺でも少し悲しくなってきた。
よくわかってるから現実はあまり見せつけないでもらえますか。
「信任投票でも落選するって、先輩どれだけ嫌われてるんですか……」
49:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:50:29.36 ID:KG8R2sxio
「その割には葉山先輩と一緒に出掛けるぐらい、仲良さそうじゃないですかー」
一色は少しだけ拗ねるような口調になった。いや、葉山を取るとかそんな海老名さん的展開はないから。
それにこの前のダブルデート(笑)は丸っきり楽しいことなどなかった。むしろ苦痛ですらあった。
50:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:51:22.25 ID:KG8R2sxio
それ以外に言いようがないな。もともと住んでいる世界が違うと思ってるし。
「それだけで遊びに行ったりしますかね……。なんか不思議な関係ですね。それに、先輩は結衣先輩や雪ノ下先輩とも……。やっぱり、そんなに嫌われてるとは思えませんよ」
「それはまぁ……なんつーの?俺が最悪だってわかって付き合ってくれてる酔狂な奴もいるんだよ」
51:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/29(月) 22:52:27.45 ID:KG8R2sxio
「いや、またはないだろ。俺と話すことはもうないと思うぞ。接点がねぇだろ」
「そうですね。接点がなければ話すことはなさそうですね。じゃあまたでーす」
わかったとか言いながら最後の挨拶は変わらない。ほんとにわかってんのか?
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