過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
1- 20
548:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:17:57.05 ID:k1AwEidto
「なるほどー。どうでもいいんですけど参考になるかもなので一応聞きますが、ちなみに先輩は疲れてるとき何してほしいですか?」

どうでもいいんなら聞くなよと思うが、それは口にしたら駄目なんだろうな。もう学んだぞ、俺は。

「俺は……一人にしてほしいかな」
以下略



549:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:18:49.10 ID:k1AwEidto
由比ヶ浜からの、最初の依頼。あのときは俺が屁理屈をこねてうやむやにしてしまったが、その後目的は果たされたのだろうか。

痛くはないけど、鼓動が少し早くなって苦しくなった。

「…………ああ、効くな。俺には特に」
以下略



550:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:19:36.52 ID:k1AwEidto
思えば奉仕部でも何も言わなくても間に入って、俺たちを繋いでくれたり緩衝材の役をしてくれていた。

由比ヶ浜らしいと言えばそれまでだが、それで終わらせていいはずがない。そんなのは優しさに甘える行為でしかない。

イメージを押しつけてはいけない。理想を誰かに求めてはいけない。それは弱さだ。憎むべき悪だ。罰せられるべき怠慢だ。傷つけていいのは、自分だけだ。
以下略



551:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:20:33.47 ID:k1AwEidto


講習室に入ると、海浜高校のメンバーに加えて見慣れない集団が部屋の一角でそわそわしていた。小学生軍団だ。

玉縄は引率者と思われる教師と言葉を交わしており、それを見た雪ノ下もそこに加わり挨拶を行った。
以下略



552:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:21:19.28 ID:k1AwEidto
パッと見ただけでも彼女が一人浮いているというか、輪から外れているのはよくわかった。

この夏俺がやった、と言っても実際にやったのは葉山たちだが、俺の発案した方法で彼女を取り巻く人間関係を壊してしまったことは忘れられない記憶だ。

問題の解決にはならず、誰もが納得しかねるようなろくでもない案ではあったが、惨めだと言っていた彼女の環境を少しは変えられたかもしれないと思っていた。
以下略



553:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:22:03.54 ID:k1AwEidto


由比ヶ浜と葉山で小学生のお守り兼、飾り作りの作業をやってもらっている間に、俺と一色と雪ノ下でまだ残っていた書き物を終わらせておいた。

これで事前にやるべきことはもう、ほぼなくなった。これ以上は内容を決めてからでないと取りかかることのできないものばかりだ。
以下略



554:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:22:54.41 ID:k1AwEidto


葉山と由比ヶ浜が作業を一段落して休憩に戻ってきたので、二人にそれとなく鶴見留美の様子を聞いてみた。

俺が見たままの状況で間違いはなさそうだったが、葉山が少しだけ気になることを口走った。
以下略



555:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:23:28.35 ID:k1AwEidto
幼い彼女はまだ知らないかもしれないが、社会はそういう人で溢れていることを少し教えてやるとするか。……PTAとかに言われたらえらいことになるな、やっぱやめとこう。

外に出てキョロキョロと辺りを見回すと留美はすぐに見つかった。一人でぽつんと座って飾り作りに没頭しているところに近づき、右手を挙げながら声をかける。

「よう」
以下略



556:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:24:21.25 ID:k1AwEidto
「…………別に、ないけど」

留美は小馬鹿にしくさった口調でそう言うと、また折り紙に視線を固定した。ほーん、葉山、嘘じゃねぇかこの野郎。どういうつもりだ。

「そうかよ」
以下略



557:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:24:56.71 ID:k1AwEidto
言ってから、言葉だけ聞くとかなりまずいアレなやつに聞こえる可能性に気がついた。

心配になったので、誰も聞いてないよなと辺りを見回したが幸い誰もいなかった。

「……暇なの?」
以下略



558:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:25:36.63 ID:k1AwEidto
「だよな。馬鹿みてぇだし、さっさと決めねぇとな。けど今はこれをやる」

留美からの返事はなかった。それからは静かな時間の中、二人で黙々と飾りを作り続けた。

集中力が必要な作業はお手のものだ、一人の世界に入り込むのは得意だからな。そして、考え事をするにはやはりこの中が一番だ。
以下略



958Res/569.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice