過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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562:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:28:47.64 ID:k1AwEidto


期待はしていなかった会議が予想通り何事もなく終わると、すぐに葉山に声をかけられた。

二人で席を外して話をすると、葉山は今の雪ノ下には多くを望まない方がいいだろうと言っていた。
以下略



563:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:29:38.05 ID:k1AwEidto

ここから出るときは一層寒さが堪える気がする。これは毎度毎度晴れない気持ちでいるからというのも多分にあるだろう。

晴れた気持ちでここを出ることができるのはいつになるのだろうか。

以下略



564:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:30:10.34 ID:k1AwEidto
「いえ、自転車あるんでいいです。遠くないですし」

「そうか、なら私が降りよう。停めてくるから少しそこで待っていたまえ」

俺に何も言わせないまま平塚先生は重低音のエンジン音を響かせて行ってしまった。
以下略



565:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:30:43.96 ID:k1AwEidto
「ああ、簡単には雪ノ下から聞いているよ。ただ、比企谷から見た意見も聞きたいんだ」

「はぁ、そうですか」

「なんだその反応は。ま、立ち話もなんだな。そこのカフェに入ろうか、奢りだ」
以下略



566:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:31:21.17 ID:k1AwEidto
俺の思うまま、問題だと考えていることを伝えた。

一番の理由として挙げられるのは、会議に否定が存在しないことだ。

そしてもう一つは、決定者、すなわち責任者の所在が曖昧なまま進めてしまったこと。
以下略



567:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:31:52.34 ID:k1AwEidto
短く言うと、問い詰めるような鋭い視線を向けてきた。

「…………なんでさっさと説き伏せて否定しないのか、そう思ってるかってことですか?」

「思っているだろう?」
以下略



568:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:32:58.52 ID:k1AwEidto
「雪ノ下も人並みに、人並み以上に迷うし、悩むし、躊躇もするということさ。比企谷と同じようにな」

「俺は別に……迷ってませんが」

「まあ君が素直に喋るとは私も思っていない。けど、悩める若人へ私からありがたい助言をやろう」
以下略



569:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:33:32.78 ID:k1AwEidto
「その心意気は認めよう。だが敢えて厳しいことを言わせてもらう。そんなものはただの自己満足だ。人のためのように見えるがその実、自分のためにしかなっていない」

宣言通り、口調も内容も俺にとってとても厳しいものだった。

「もう、君が傷付くことで君以上に悲しむ人間がいることをわかってもいい頃だ。だから先に言っておく。比企谷、人を傷つけないようにするというのは無理だ」
以下略



570:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:34:24.73 ID:k1AwEidto
俺が何を選んでも誰かを傷つける。そんな簡単なことを、しかし間違いようのない真実を突きつけられた。

俺はこれまで散々迷ってきたが、迷っている時間ですら誰かを傷つけていたのかもしれない。そう自覚をすることが、傷つける覚悟をすることが人を想うということだと、そう言われた。

その自覚と覚悟が俺には足りていなかった。だからさっきはあんな、まちがった決断をしかけてしまった。
以下略



571:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:35:03.96 ID:k1AwEidto
ここまで

あーやっと終わりが見えてきた
九月中の完結を目標で
またそのうち


572:名無しNIPPER[sage]
2015/08/24(月) 23:35:18.78 ID:MJ+QU5L1o



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