過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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645:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:41:52.14 ID:Sv+8YbD5o
誇っていいと思うぞ。誰もが同じようにできることじゃないんだから。
一一一
646:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:42:55.14 ID:Sv+8YbD5o
葉山は何事もなかったかのようにあっけらかんと言ってのけた。そりゃ仕事しろとは言ったけどよ、お前ならもっと、こう……なんかあるだろ。
「はぁ?お前聞いてなかったのか?あんな言い方したら雪ノ下もこれからやりにくくなんだろうが」
「聞いてるよ、そこら辺はなんとかするさ。君が俺の何を非難してるのか知らないけど、今怒られてるのは比企谷もだからな?」
647:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:45:39.30 ID:Sv+8YbD5o
「はぁ、先が思いやられるわ。…………でも、あなたたちが私を助けようとしてくれたのは、わかってるから。こういうのはよくないと思うけど、その…………ありがとう。少しだけスッとしたわ」
言うと、雪ノ下は悪戯に成功した子供のように、意地悪で無邪気な微笑みを浮かべた。こんな表情はこいつが生徒会長になってから初めて見たような気がする。
「ほ、ほんの少しよ。少しだけよ?」
648:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:46:32.49 ID:Sv+8YbD5o
「いえ、それなら私も一緒に……」
「いいんだ、まずは俺だけで。すぐだから待ってて」
言うや否や、葉山は一人で玉縄のところへ行ってしまった。
649:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:47:16.52 ID:Sv+8YbD5o
変わらず顔は見えないが悲壮感の漂う口調だと感じ、以前にも見た物悲しげな表情を想像した。
「俺はそうは思わんけどな。お前はそれでも、強いよ。俺はそう思う」
「あなたのことだから、意味のない気休めでは……ないわよね」
650:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:48:26.56 ID:Sv+8YbD5o
葉山が戻ってきた。大丈夫の意味がよくわからないので玉縄の方へ目を向けてみると、先ほどまでの不機嫌そうな表情は消え、代わりに会議を始めたばかりの頃のような自信が伺えた。
「……そ、そう。じゃあ行ってくるわね」
「ああ。俺のせいで、悪いね」
651:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:49:28.89 ID:Sv+8YbD5o
「は?え?ってことは、玉縄、そうなの?」
「そうだよ。見てればわかるだろ」
いや……俺わかんなかったんだけど。え、俺だけなの?いやたぶん折本もわかってねぇぞ。
652:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:50:03.18 ID:Sv+8YbD5o
そりゃ俺には逆立ちしても真似できねぇよ。
「自分の持ってるカードから選んで切るしかないんだよな、結局。やり方次第で手持ちのカードは減ったり増えたりするんだろうけどね」
「……そうだな」
653:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:51:41.28 ID:Sv+8YbD5o
「しねぇよ。そんな人様にどうこう言えるほど偉くもないし。それが間違いだって言えるほど正しい答えも持ち合わせちゃいない」
正しい否定は難しい。こいつの行動を不誠実だと否定できるのなら、そいつはさぞや納得のいく答えを出すのだろう。葉山とは違う答えを。
俺はどんな場面でも最終的には自分の持っているカードを切ってきた。だが、切らないほうがましだったんじゃないかということは幾度もある。
654:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:53:03.41 ID:Sv+8YbD5o
「どこまで意地が悪いんだ。俺も素直には認めてやらないけど」
「……じゃあお互い様だな、馬鹿野郎」
「ははっ」
655:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:54:09.08 ID:Sv+8YbD5o
「ありがとう。ではこの枠の中でできることを考えていきましょうか。まずは……劇の内容ね」
さっきは準備できてるとかのたまっちゃったわけだけど、そこからなんですよねー。あー、なんかもうげんなりしてきた。
「オリジナルの脚本にするの?」
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