過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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834:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 07:36:03.83 ID:aeWauGybo
今はちょっと、どうしていいかわかんなくて弱気になってるだけ。だから、そのうちゆきのんもちゃんと向き合って受け入れようとするはず。
でもゆきのんは、友達だって言ってくれた。あたしも言った。
言ったけど。
835:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 07:37:05.99 ID:aeWauGybo
よかった。鏡の中のあたしはちゃんと笑えてるように見える。
あたしにできることなんて限られてるんだから、笑わなきゃ。みんなで楽しく過ごすために、バカみたいなこと言って、バカみたいに笑って…………。
やっぱりあたし、ダメかも。
836:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 07:38:47.59 ID:aeWauGybo
私は、イベントで支えてくれた四人に、助けようとしてくれたみんなに何かお礼がしたかったのだ。
言葉では簡単に伝えたけど、それだけではなくて私にできることがないかと思っていた。そこへあんな話をしてたから、思い付きで。
彼を含めた生徒会のみんなが家に来るということで、昨日の夜帰ってきてからすぐ、他人の目に入れてはいけない私のイメージに影響するようなものを押し入れに放り込み、念入りに掃除をした。
837:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 07:39:31.56 ID:aeWauGybo
普段から片付けや掃除はちゃんとやっているし、これから飾り付けもするし、こんなものよね。
あとは由比ヶ浜さんにぬいぐるみのことを言わないよう念押ししておけば大丈夫。
昨日の夜はイベントで使った飾りを少し拝借して帰り、少しでもやっておこうと思ったけど家の片付けをしている途中で力尽きてしまった。
838:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 07:40:50.90 ID:aeWauGybo
そうしていろいろやっている間は、考えなくても済んだ。いや、考えないようにするためにいろいろやっていた。
そして今、由比ヶ浜さんが来るまでにやることを終えて手持ち無沙汰になった。空白の時間が生まれてしまった。
本当はそんな気分であるはずがないのに浮かれていられるのは、熟睡できたのは、考えないようにしていたからだ。
839:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 07:41:45.21 ID:aeWauGybo
まともな判断をする時間すらなく、慌てて彼の言葉を遮ってしまった。あの言葉の先にあるのは、彼が由比ヶ浜さんへさらに踏み込むためのものだと確信できたから。
最低だ。
彼の彼女への想いを感じていながら、よくそんなことができたものだ。
840:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 07:43:13.84 ID:aeWauGybo
あの後悔を二度としたくなくて、私は強くあろうとしたのに。変わろうとしたのに。
また間違ってしまうところだった。失ってしまうところだった。
彼が答えを出したいというのを、彼女を選ぶことを止められないのなら。
841:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 07:43:49.98 ID:aeWauGybo
私は寄る辺がなければ一人で立てない人間だから。
☆☆☆
842:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 07:44:40.77 ID:aeWauGybo
まだ誰も来ていない改札前で一人佇み、駅の構内を眺める。彼女は毎日ここを通って学校に来ているのだなと考えてみたが、降りたこともある駅なので別に感慨深くもなんともなかった。
何もせずにぼんやりと待っていると、やがて見知った姿の女子が改札から出てきた。清楚で柔らかく感じる、実に女の子らしいシルエット。
「あ、葉山先輩。こんにちは、早いですねー」
843:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 07:46:37.54 ID:aeWauGybo
怯えか、恐れか、慎重なだけか、それともそういったものを知らないか。
その彼女が、おそらく比企谷の発言に影響されてだろう、踏み込みたいと言ってきて、実際そうした。
それに対して俺は、完全な拒絶をしたわけではないが、彼女への好意を否定するような発言をした。
844:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 07:48:38.02 ID:aeWauGybo
らしさというものは置いておいても、俺は普通にそう答えるかもしれないと思えるから。
「さっすが葉山先輩ですねー。素晴らしい答えです。どこぞの先輩なら超待ったとか言ってるとこですよ、絶対」
「はは。そうだな、あいつならそう言いそうだ」
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