270: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 22:00:09.75 ID:pZ2c0fHa0
それを吹き飛ばす、音がした。
ガァン!と大きな音。
勢いよく開いた訓練所の扉。
271: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 22:00:48.51 ID:pZ2c0fHa0
◇
無論。
火急の用など、完全なる出まかせである。
272: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 22:01:27.81 ID:pZ2c0fHa0
提督『ーー何故だと思う?』
敢えて、提督は聞き返した。
赤城『……わかりません』
273: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 22:02:52.11 ID:pZ2c0fHa0
その問いに。
本来の、提督と出会う前の赤城ならば、いいえ、と即答できたであろう。
しかし、赤城は提督の元に来て数ヶ月が経つ。
その間、嘘を吐くなと提督に繰り返し指導されていた。
274: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 22:03:42.22 ID:pZ2c0fHa0
赤城『違うのです!提督!』
提督に縋るようにして、赤城は弁明する。
赤城『私は人間を嫌ってなどいません!
275: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 22:04:56.68 ID:pZ2c0fHa0
提督『……まぁ、取り敢えず座れよ』
パイプ椅子を用意し、提督は赤城に着席を促した。
提督『話をしようか。
276: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 22:05:24.41 ID:pZ2c0fHa0
提督『他の艦娘は……どうなんだ』
赤城『……それは人間を嫌っているか、否かですか?』
提督『ああ』
277: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 22:05:55.93 ID:pZ2c0fHa0
赤城『随分と慕われているではありませんか。
まぁ、提督のお話をしている加賀さんは……有り体に言うとチョロそうでしたが』
提督『その言い方はどうなんだ』
278: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 22:06:28.99 ID:pZ2c0fHa0
提督『……』
赤城『艦娘はただの、人の武器。
しかも、私はその最底辺の空母』
279: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 22:07:21.67 ID:pZ2c0fHa0
提督『……』
赤城『艦載機は飛ばないんです。
何度も過去に試行しましたし、提督自身ももうお判りでしょう。
飛ばないんです。
280: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 22:08:38.95 ID:pZ2c0fHa0
提督『そうか。
……ま、今日の所は、このくらいにしておこうか。
風呂に入って……今晩は、本でも読むと良い。
最近時間が無かったろ』
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