5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 19:26:05.73 ID:2xJ+7fel0
その次に会ったのは東京の、彼のいる事務所で。
なんとしてでも彼の隣にいたかった。
だから親も納得させて、学校にも、読者モデルのときの事務所にもちゃんと話した。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 19:27:04.42 ID:2xJ+7fel0
次に会ったのはまたあの人のいる事務所で。
オーディションに受かり、正式にこの事務所で活動することになった。
その初めての話し合いである。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 19:27:32.08 ID:2xJ+7fel0
この日に至るまでの毎日はまるで夢のようだった。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 19:28:27.24 ID:2xJ+7fel0
それからの私はあの人とともにたくさんのお仕事をこなした。
時に笑い、時に泣き、時に悔しがり、でもいつも楽しむ、そんなアイドル生活を一緒におくってきた。
最初は小さな仕事だったけど、続けていくうちに大きな仕事が増えていった。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 19:29:18.98 ID:2xJ+7fel0
反面、あの人と一緒にいる時間が少なくなった。
この事務所はプロデューサーが少ない。
一人のプロデューサーに対して何人も、何十人もアイドルがいる。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 19:30:03.24 ID:2xJ+7fel0
どうにか、どうにかしてあの人との接点を増やしたい。
そう考えた私はある日、あの人にお弁当を作ろうと思った。
勝手に作っても食べてくれないかもしれないので、ちゃんと約束を取り付けて。
11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 19:30:36.68 ID:2xJ+7fel0
私だけに作らせてほしかった、という嫉妬。
それも口に出せない。
きっとあの人が心配してしまうから。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 19:31:09.83 ID:2xJ+7fel0
ある日、同じ事務所のアイドルの一人が辞めた。
これ以上続けていても伸びが見えないこと。
アイドルとは別に持っている夢を追いかけたいということ。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 19:31:42.72 ID:2xJ+7fel0
その日から夢のようだった毎日がゆっくりと現実味を帯び始めた。
私は変わらずアイドルを続けている。
仕事を成功するとあの人が喜んでくれるから。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 19:32:22.87 ID:2xJ+7fel0
――夢を見ている。
それは前を歩くあの人を追いかける夢
あの人の背中を追いかける夢
15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 19:33:38.03 ID:2xJ+7fel0
おしまいです
なんとなくですけどまゆは独白では自分をまゆと呼ばないと思ったので私という風にしました。
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