104: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/23(木) 15:30:31.40 ID:Ut9bCkLSo
盗賊「………っ! 蘇生魔法は!」
神父「心臓を貫かれていました。私が見つけた時には……既に、魂は天に召されておられた……」
105: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/23(木) 15:32:29.02 ID:Ut9bCkLSo
魔王城から少し離れた森の中、この教会はあった。
神父は自分たちが立ち寄った最後の街から逃げ出した、謂わば”真っ当”な神への信仰者だった。
最後の街はやはり魔王信仰者の巣窟であった事から、彼は教会を森の中に建てたそうだ。
106: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/23(木) 15:32:59.73 ID:Ut9bCkLSo
盗賊「此処は……魔王城の、近くだろう」
神父「心配はありません。これでも私、昔は勇者様のパーティとしてお仕えした身ですから」
107: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/23(木) 15:33:25.53 ID:Ut9bCkLSo
神父は古びたノートを自室から持って、盗賊へと差し出す。
その中身は彼の手記であり、旅の事が事細かに記されていた。
神父「………私の、旅は智将の前に為す術もなく、終わらされてしまったのです」
108: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/23(木) 15:33:52.24 ID:Ut9bCkLSo
神父「……魔王はそう易々と背後を取らせるとは思えません。それに、智将の呪いで殺せるかは分かりません」
「彼自身がそう言い張っていただけでしょう。それに呪いの発動後、使用者を呪う還元作用もございます」
「智将は呪いを自らの力に変える魔物。人間には死の呪いでも、彼には魔力源だったのでしょう……」
109: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/23(木) 15:34:35.78 ID:Ut9bCkLSo
翌日、神父の回復魔法もあって完全に回復した盗賊は魔王城へと向かう事にした。
潰されてしまった右目は見えないが、左目がある。右目を包帯でぐるぐると巻いて、装備を整える。
黒い外套と、黒い帽子。血塗れの二つを確りと身に付けて、教会を出る。
110: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/23(木) 15:35:40.26 ID:Ut9bCkLSo
ちょっと短いけどここまで(・ε・)
また夜にでも
111:名無しNIPPER[sage]
2015/07/23(木) 19:02:35.42 ID:B+/S/Ktp0
乙!
やっと追いつきました!
こういうダークヒーロー系な勇者モノって珍しいような気がするんですけど、何がきっかけで思いつきました?
112: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/23(木) 21:57:00.55 ID:Ut9bCkLSo
終わらせますぞ
>>111
勇者が無敵の胸糞系SSを読んでた時に思いついたよ
113:名無しNIPPER[sage]
2015/07/23(木) 21:57:27.94 ID:Ut9bCkLSo
魔王城には魔物はおらず、自分達が倒した魔物の死骸ですらそのままだった。
やはり、今の勇者に満足に魔王として活動出来る程の力はないと見える。
盗賊「………絶望、か」
114: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/23(木) 21:58:03.52 ID:Ut9bCkLSo
勇者「………へえ、生きてたのか」
僧侶「…………あ、ぁ?」
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