109: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/23(木) 15:34:35.78 ID:Ut9bCkLSo
翌日、神父の回復魔法もあって完全に回復した盗賊は魔王城へと向かう事にした。
潰されてしまった右目は見えないが、左目がある。右目を包帯でぐるぐると巻いて、装備を整える。
黒い外套と、黒い帽子。血塗れの二つを確りと身に付けて、教会を出る。
神父「お行きになさるのか」
盗賊「ああ。生き残ってしまったからな……それに、魔王は俺に死の間際に真の絶望を見せてやると言った」
「それにしては俺はまだ、希望を感じている。それに、気になる事もいくつかある……やるだけ、やらないとな」
神父「貴方は、何故その様に強く生きていられるのでしょう」
魔王の策とは言え、盗賊の旅は凄惨なものだった。
これほどまでに見事に絶望の淵に沈められたなら、常人なら這い上がる事は出来ないと思われた。
少し、考える素振りをして盗賊は笑顔を浮かべた。
盗賊「惚れた女と、”表側”の男が待ってるからな」
キィン、とコインを盗賊は弾いて―――魔王城へと歩き出す。
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