過去ログ - 提督「この世界にいらないもの?」
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17:名無しNIPPER[saga]
2015/07/27(月) 15:43:44.57 ID:NYc+OQMZ0
「夕立、人間間の恋愛における障害が乗り越えられると言うならば、前に挑戦してみた手作り料理にもう一度チャレンジしてみたらどう?」

「え、料理?」

夕立のスプーンがとまった。手作り料理で連想されることを思い出しているのだ。そして、嫌そうな顔をした。以前に失敗したことがあるのだ。

夕立の想い人である提督は余り女性の扱いに慣れておらず気遣いもできる方ではなかったが、それでも女の子の手作り料理ということで「おいしいよ」とフォローしてくれたけど、そういう雰囲気に抜群の感度を持っている夕立には意味のないことだった。僕だったらお世辞とわかっていても誤魔化されてあげることもできただろうと時雨は思い、余りに鋭い感覚は時にはマイナスにもなるのだと知った。

普段の夕立ならば失敗から奮起して努力するところなのだが、夕立はその一度の失敗で心を折ってしまった。過剰に失敗を恐れるようになったのだ。別に提督に食べさせるんじゃなくて裏で練習して、完成したものをまたご馳走してあげればいいと時雨が言っても、首を横に振るばかりであった。

なるほど恋愛というのは相手のことを美化もしくは神格化までしてしまう傾向があり、それに伴って当人の自尊心は低下する。特に相手から拒絶されたりなんかしたら、一瞬で自信を喪失する。しかも、夕立は過敏とも言えるほどそういった感情の機微を現実として感じるのに長けている。つまり、夕立は恋愛においてとても繊細だったのだ。


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